【医師監修】咳喘息の基礎知識|症状の特徴から診断・検査まで

「この咳、なかなか治らないな…」「夜になると咳が出て、眠れない…」そんな悩みを抱えていませんか?長引く咳の原因の一つに「咳喘息(せきぜんそく)」があります。咳喘息は、一般的な喘息と似て非なる病気です。息苦しさやゼーゼーという音はあまり出ないものの、乾いた咳が3週間以上も続くのが特徴です。

この記事では、咳喘息について知っておきたい基本的な知識をご紹介します。症状の特徴や診断方法、似た症状を引き起こす病気との違いまで分かりやすく解説していくので、長引く咳でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人
坂口 海雲

大阪市立大学医学部を卒業後、大阪市立大学循環器内科に入局。ベルランド総合病院、大阪市立大学病院への勤務を経て、福島吉野スマイル内科・循環器内科を開院。Dr.AGAクリニックの総院長も就任中。

所属:日本内科学会日本循環器学会、医学博士(循環器内科)

1. 咳喘息とは:長引く咳の意外な原因

咳喘息は、気管支喘息の一種です。しかし、一般的な喘息とは症状が大きく異なります。咳喘息の最大の特徴は、その名の通り「咳」が主な症状となることです。 一般的な喘息では「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音とともに息苦しさを感じますが、咳喘息ではからからとした乾いた咳が続くのが特徴です。また、多くの方が夜間に症状の悪化を経験し、症状は3週間以上続くことが一般的です。 なぜこのような症状が起こるのでしょうか。それは、気道の入り口付近に炎症が起きているからです。この炎症によって気道が敏感になり、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなってしまいます。

【症状が悪化しやすい状況】

  • 寒い空気を吸い込んだ時
  • 空気が乾燥している時
  • 運動をした時
  • タバコの煙や強い香りを感じた時

このように、日常生活の中の様々な刺激が咳を誘発する原因となります。

→ より詳しい情報は[咳喘息の仕組みをわかりやすく解説!夜に咳が出る原因と特徴的な症状]をご覧ください。

2. 咳喘息と間違えやすい病気

長引く咳の原因は、咳喘息以外にもいくつかあります。特に気管支喘息との違いは重要です。気管支喘息も咳の症状がありますが、咳喘息とは異なる特徴があります。気管支喘息の場合、咳に加えて「ゼーゼー」という音や息苦しさが現れます。これは、気道の奥まで炎症が起きているためです。一方、咳喘息では気道の入り口付近に炎症が集中しているため、咳だけが目立つ症状となります。 また、以下のような病気でも長引く咳が現れることがあります。

【似た症状を起こす病気】

  • 風邪やウイルス性気管支炎
    • 1~2週間程度で改善傾向
    • 発熱や鼻水なども伴う
  •  肺炎や結核
    • 発熱やにおいのついた痰を伴う
    • 場合によっては血痰を伴う
  • 肺がん
    • はじめの時は症状がないことが多い
    • 場合によっては血痰を伴う
  • 逆流性食道炎
    • 食後に症状が悪化
    • 胸やけを伴うことが多い

このように似たような症状でも、原因となる病気によって特徴が異なります。そのため、長引く咳でお悩みの場合は、医師による適切な診断が重要になるのです。  

→ より詳しい情報は[咳喘息と気管支喘息の違いとは?症状の特徴と見分け方を詳しく解説]をご覧ください。

3. 診断と検査:どのように判断するの?

咳喘息の診断は、詳しい問診から始まります。医師は症状の特徴や経過を慎重に確認し、必要に応じて様々な検査を行います。問診では、いつから咳が続いているか、どんな時に症状が悪化するかなど、詳しくお話を聞きます。特に夜間の咳や症状が続く期間は、重要な判断材料となるのです。 その後、状況に応じて以下のような検査を行います。

【主な検査の種類】

  • 呼吸機能検査:肺の働きを調べる検査で痛みはまったくありません。
  • 血液検査:アレルギーの有無を確認することや炎症の程度を調べます。

また、必要に応じてレントゲンやCT検査を行うこともあります。これは他の病気の可能性を調べるためです。医師はこれらの結果を総合的に判断して診断を確定させていきます。 診断が確定したら、症状の程度に応じて適切な治療法が選択されます。咳喘息は早期発見・早期治療が大切な病気です。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。

→ より詳しい情報は[咳喘息の診断方法とは?医師が行う検査と他の病気との見分け方]をご覧ください。

まとめ:咳喘息の基礎知識を理解しよう

ここまで、咳喘息の基本的な知識について解説してきました。重要なポイントを整理しましょう。 咳喘息は、一般的な喘息とは異なり、乾いた咳のみが主な症状として現れます。特に夜間に症状が悪化しやすく、3週間以上続くのが特徴です。気道の入り口付近の炎症が原因となるため、以下のような時に症状が悪化しやすくなります。

  • 寒い空気を吸った時
  • 空気が乾燥している時
  • タバコの煙や強い香りを感じた時

このような症状がある場合は、以下の記事でより詳しい情報をご確認ください。

[咳喘息の仕組みをわかりやすく解説!夜に咳が出る原因と特徴的な症状]

[咳喘息と気管支喘息の違いとは?症状の特徴と見分け方を詳しく解説]

[咳喘息の診断方法とは?医師が行う検査と他の病気との見分け方]

長引く咳でお悩みの方は、ぜひ一度医師に相談してください。適切な診断と治療により症状の改善が期待できます。

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