睡眠とリラクゼーション

この記事を書いた人
坂口 海雲

大阪市立大学医学部を卒業後、大阪市立大学循環器内科に入局。ベルランド総合病院、大阪市立大学病院への勤務を経て、福島吉野スマイル内科・循環器内科を開院。Dr.AGAクリニックの総院長も就任中。

所属:日本内科学会日本循環器学会、医学博士(循環器内科)

睡眠とリラクゼーション

睡眠とリラクゼーションの話をする前に、自律神経の話をしましょう。自律神経には、大きく分けて2種類の神経が存在します。交感神経と副交感神経です。聞いたことがある人も多いかもしれません。

交感神経は戦うときに活発になる神経です。野生の人間(旧石器時代の人間)にとって、人生は戦いの連続でした。サバンナでライオンに追っかけられる、マンモス相手に果敢に立ち向かっていく。そういう生活をしていました。

戦うぞというとき、交感神経は活発になります。心臓を活発に動かして血流を増やし、血管を収縮させてもしもの時の出血に備えるのです。これは、血圧が上がりそうだなと思いますよね。そう、その通り。交感神経が活発に活動をすると、自動的に人間の血圧は上昇するように設計されています。

逆に副交感神経はリラックスするときに働く神経です。食べ物を消化したり、睡眠したり、基本的に戦わないときは副交感神経が交感神経に比べて活発になっています。リラックスしているわけですから、血圧は高くはなりません。出血する危険性もないし、筋肉を活発に動かす必要もないわけなので、血管はがっつり拡張しているわけです。

と、ここまで自律神経の話を考えると、副交感神経が活発になることが大事だなということがわかると思います。実際問題そうなのですが、現代社会で常に副交感神経が活発になっているかというとそうではありません。

現代社会の我々人間も遺伝子的に野生の人間と何ら変わりはないので、自律神経は旧石器時代と同じままです。さすがにライオンに追いかけられたり、マンモスに立ち向かう必要はないのですが、自律神経は当時のままです。

そして、現代社会はストレス社会でもあります。肉体的なストレスは旧石器時代に比べ格段に少なくなったはずですが、精神的なストレスはすさまじいものです。悪いことに自律神経にとっては、肉体的なストレスも精神的なストレスも見分けがつかないのです。

つまり、上司に怒られたり、夫婦喧嘩をしたり、親の介護で寝不足になったりしても交感神経はライオンに追いかけられた時と同様、活発に働いてしまうのです。先ほども述べた通り、交感神経が活発になると血圧が高くなります。現代のストレス社会は高血圧を生み出す元凶だともいえるわけです。


さて、睡眠についてですが、夜間高血圧が体によくないということがわかっています。睡眠中に血圧を常時測定することは、現実的にはかなり困難なので実験でのデータでしかありませんが、睡眠中の血圧が高いと高血圧合併症の危険性がとても高まることがわかっています。

なので、睡眠中しっかりリラックスして休めているかどうかはとても大切なのです。しかし、睡眠の質を下げるものが存在します。それは、寝酒、寝る前のスマホ、睡眠時無呼吸症候群です。

寝酒というのは、寝る1時間以内にお酒を飲むことです。お酒を睡眠薬代わりに飲んでいる人もいるとは思いますが、これはよくありません。お酒を飲むと眠たくなるので、睡眠にはよいような気がするのですが、実は深い睡眠をアルコールが阻害するので、たくさん眠っても実質の睡眠時間は足りていない状態になってしまうのです。

寝る前のスマホも同じく睡眠の質を低下させます。スマホの光は結構な光量なので脳が昼間と錯覚してしまうのです。寝る1時間前にはスマホを触らないようにするのがおすすめです。

そして、一番問題なのが睡眠時無呼吸症候群です。これは、かなり血圧にとって悪影響を及ぼします。簡単に言うと、眠っている間息が止まってしまう病気なのですが、想像するだけでも体に悪そうですよね。息が止まってしまうということは、死ぬかもしれないと自律神経は思うので、交感神経がバッチバチに活発になります。たくさん寝ても、朝疲れが残っていると感じる人は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてみることをお勧めします。

リラクゼーションに関しては、自律神経の緊張を抑えるアロマや瞑想、マッサージなどがおすすめです。交感神経の高ぶりを抑えて副交感神経を活発にし、血圧の上昇を抑えてくれます。

具体的な方法や睡眠時無呼吸症候群の検査など、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

電話が混み合っている場合もありますが、通話可能ですのでお待ちいただければ幸いです。

確認させていただき次第、当院からメールで連絡をさせていただきます。