【診療科別】開業医で年収5000万円は実現可能か?達成するための経営戦略

「開業すれば年収5,000万円も夢じゃない」

そう聞いて開業を検討しているものの、本当に自分にも実現できるのか。勤務医として安定収入を得ている今、数千万円の借金をしてまで開業するリスクを取る価値があるのか、判断に迷っている医師の方は少なくありません。

開業医で年収5,000万円は決して不可能ではありません。しかし診療科や立地、経営戦略によって実現できる可能性は大きく変わります。

本記事では、開業医の平均年収と手取りの実態から始まり、診療科別の年収ランキング、年収5,000万円を達成するための具体的な条件と経営戦略を詳しく解説します。

最期に開業リスクを排除した選択肢も紹介しています。

開業医の平均年収・手取り相場

開業医の年収を正しく理解するには、総収入だけでなく手取りベースでの実態を把握することが重要です。この章では開業医の平均年収の実態と、勤務医との比較を通じて、開業による収入の変化を明確にします。

開業医の平均年収はどのくらい?

項目内容・詳細
平均年収(全体)おおよそ 2,500万円〜3,000万円程度。※実数は診療科・立地・経営規模により変動します。
勤務医との比較勤務医(1,500万〜2,000万円)より高い傾向。ただし運営コスト・借入返済・人件費の影響を強く受けます。
分布の幅1,000万円台〜5,000万円以上まで幅広い。診療科、立地、患者数、単価、保険/自費比率で大きく変動。
初期(開業当初)立ち上がり期は患者獲得に時間がかかり、勤務医時代より年収が下がるケースもあります(広告・採用費増、稼働率低)。
高収益の診療科整形外科・眼科・皮膚科などは平均を上回る傾向。自費メニューや手術/処置単価、回転率により収益性が高まりやすい。
平均的な診療科内科・小児科などは保険診療中心のため平均にとどまる傾向。差別化や自費比率の設計で改善余地あり。

※本表は概況です。実数は診療圏調査、診療単価、稼働率、人件費率、家賃/減価償却、広告費、設備投資回収計画などにより変動します。

「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について|厚生労働省

手取りベースではいくら残るのか

開業医の年収は「売上から経費を差し引いた利益」であり、ここから以下の税金と社会保険料が差し引かれて最終的な手取り額が決まります。

差し引かれる費用

  • 所得税(累進課税により高額所得者ほど税率が高い)
  • 住民税
  • 事業税
  • 社会保険料

手取り額の試算(年収3,000万円の場合)

  • 税金・社会保険料の合計:年収の約40%〜45%
  • 差し引かれる金額:約1,200万円 〜 1,350万円
  • 手取り(自由に使える金額):1,650万円 〜 1,800万円程度

経営上の考慮事項

手取り額とは別に、以下のような経営資金の確保も実質的に院長の収入から捻出されます。

  • 将来の設備投資:医療機器の更新費用など
  • 運転資金:急な支出に備えるための予備資金
  • 建物のメンテナンス費用
  • 借入金の返済:
    例:開業時に5,000万円借り入れた場合、年間約600万〜960万円が返済に充てられ、この分は実質的に使えない資金となる。

勤務医との年収差・収入モデル比較

勤務医と開業医の年収を比較する際は、単純な年収額だけでなく、労働時間や労働内容、リスクの違いも考慮する必要があります。

項目勤務医開業医(平均)開業医(高収益)
平均年収1,500万〜2,000万円2,500万〜3,000万円5,000万円以上
手取り(概算)1,000万〜1,300万円1,650万〜1,800万円2,750万〜3,000万円
社会保険料負担半額(雇用主負担あり)全額自己負担全額自己負担
退職金制度ありなしなし
経営リスクなしありあり(大)
借入金返済なし年間500万〜800万円年間600万〜1,000万円

金額だけを見れば開業医の方が500万〜1,500万円ほど高収入ですが、勤務医は給与所得者であるため、社会保険料の半分を雇用主が負担し、退職金制度や福利厚生も整備されています。一方で開業医は社会保険料を全額自己負担し、退職金制度もありません。将来の保障を含めて考えると、単純な年収差以上の違いがあることを理解すべきです。

リスクの観点からは勤務医は安定した給与が保証される一方、開業医は経営状況によって収入が大きく変動します。患者数が減少すれば収入も減り、場合によっては赤字経営に陥るリスクも。数千万円の借入金を背負っている場合、このリスクはさらに大きくなります。

診療科別の開業医年収ランキング

診療科によって開業医の年収は大きく異なります。この章では各診療科の収益性を比較し、高年収を実現しやすい診療科の特徴を明らかにします。

内科・小児科・外科・整形外科の平均年収

主要診療科の平均年収を比較すると、以下のようになります。

診療科平均年収特徴
整形外科3,000万〜4,500万円高齢化社会でニーズ高リハビリ需要も大きい
外科2,500万〜3,500万円手術報酬が高い、設備投資が必要
内科2,000万〜2,800万円保険診療中心、患者数確保が鍵
小児科1,800万〜2,500万円少子化の影響、予防接種で安定収入

内科開業医の平均年収は2,000万〜2,800万円程度です。内科は保険診療が中心で診療単価が比較的低いため、高年収を実現するには多くの患者数を確保する必要があります。生活習慣病や慢性疾患の管理など、継続的な通院が必要な患者を多く抱えることで安定した収入を得ることが可能です。

小児科開業医の平均年収は1,800万〜2,500万円程度で、内科よりやや低い傾向にあります。少子化の影響で患者数の確保が難しく、また小児特有の急患対応や夜間診療の負担も大きいため、収益性は必ずしも高くありません。ただし予防接種や乳幼児健診など、安定した収入源を確保できる利点もあります。

外科開業医の平均年収は2,500万〜3,500万円程度です。手術を伴う診療は診療報酬が高く設定されているため、内科や小児科より高収入を期待できます。ただし開業外科医として手術を行うには設備投資が必要で、また手術のリスク管理も重要な課題です。

整形外科開業医の平均年収は3,000万〜4,500万円程度で、開業医の中でも高収入を実現しやすい診療科のひとつです。高齢化社会において整形外科のニーズは高く、リハビリテーションや物理療法なども含めた総合的な診療で安定した収益を確保できます。ただし医療機器への初期投資が大きく、開業費用は1億円を超えることも珍しくありません。

歯科医師・眼科・皮膚科などの収益性

その他の診療科の収益性を見てみましょう。

診療科平均年収収益性のポイント
美容外科・美容皮膚科5,000万〜1億円以上自由診療中心、利益率50〜70%
眼科3,000万〜5,000万円白内障手術、レーシックなど高単価診療
皮膚科2,500万〜4,000万円美容皮膚科で収益性が大幅向上
耳鼻咽喉科2,200万〜3,200万円花粉症など日常疾患で患者確保しやすい
歯科1,500万〜2,500万円競争激しい、自由診療で差別化必要

眼科開業医の平均年収は3,000万〜5,000万円程度で、高収益を実現しやすい診療科です。白内障手術やレーシック手術など自由診療を含めた診療の選択肢が広く、診療単価も高い傾向です。高額な検査機器や手術機器への投資が必要ですが、それに見合った収益を期待できます。

皮膚科開業医の平均年収は2,500万〜4,000万円程度です。保険診療だけでなく、美容皮膚科として自由診療を取り入れることで収益性を大きく高めることができます。レーザー治療やボトックス注射、ヒアルロン酸注射などの美容施術は利益率が高く、年収5,000万円以上を実現している開業医も少なくありません。

歯科医師の平均年収は1,500万〜2,500万円程度で、医科開業医と比較するとやや低い傾向にあります。歯科医院の数が多く競争が激しいこと、保険診療の点数が低く抑えられていることが要因です。ただしインプラントや審美歯科など自由診療を積極的に取り入れることで、年収3,000万円以上を実現している歯科医師も存在します。

耳鼻咽喉科開業医の平均年収は2,200万〜3,200万円程度です。花粉症や中耳炎など日常的な疾患を扱うため患者数は確保しやすく、安定した経営が期待できます。ただし診療単価が比較的低いため、高年収を実現するには効率的な診療体制の構築が必要です。

高収益科目(自由診療、美容系)の可能性

美容外科・美容皮膚科は高収益を実現できる可能性がある診療科ですが、立地や競合状況によって収益性は大きく異なります。地方都市や競合が少ないエリアで、地域唯一の美容クリニックとして確立できれば、年収5,000万円から1億円以上を目指すことも可能です。

美容医療はすべて自由診療であるため、価格設定を自由に決めることができ保険診療の制約を受けません。材料費や人件費を差し引いた利益率は50〜70%と高く、例えばボトックス注射は材料費が数千円に対して施術料金は数万円、ヒアルロン酸注射も同様の利益率を実現できます。

ただし都心部での美容医療は注意が必要です。美容医療の需要拡大とともに、Web広告市場も年々競争が激しくなっており、特に美容クリニック業界では広告費の高騰や媒体の多様化により、「予算は投じているのに効率が悪い」といった課題を抱えるケースが増えています。リスティング広告は多くの美容整形外科が実施しており、競合が増すほど費用も高騰しています。

実際に2024年末に破綻したアリシアクリニックは、テレビCMやタレント起用を含む積極的な広告展開で知名度を高め、最盛期には年間売上160億円を超える規模に成長していました。しかし広告費の高騰、患者単価の下落、過度な前受け金依存といった経営構造が崩れ、最終的には資金ショートに陥りました。上記のような大規模な倒産事例は、美容医療業界が抱える広告費負担の重さを示しています。

美容クリニックの広告費相場は年間売上の10〜15%程度とされていますが、都心部では競争激化により、この比率を大きく超える広告投資が必要になるケースもあります。広告費が経営を圧迫し、場合によっては赤字経営に陥るクリニックも存在するのが現状です。

美容医療での成功には、以下の条件を満たすことが重要です。

  • 立地選定:競合が少ないエリアや、独自性を打ち出せる市場を選ぶ
  • 集患コスト管理:広告費を適切にコントロールし、費用対効果を常に検証する
  • リピート率の向上:新規患者の獲得コストを下げるため、既存患者の満足度を高める
  • 差別化戦略:技術力や接客サービスで他院との明確な違いを作る

不妊治療専門クリニックも高収益を期待できる分野です。体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は自由診療の部分も多く、1回の治療で数十万円の収入を得られます。少子化対策として保険適用範囲が拡大される動きもあり、今後の成長が期待される分野です。

予防医療や健康診断専門クリニックも注目されています。人間ドックや各種健康診断は自由診療または健保組合との契約で実施されるため、保険点数の制約を受けません。予約制で計画的に診療できるため効率も良く、安定した収益を確保できます。

参考文献

GENIEE CX NAV1「美容クリニックの集患戦略|Web広告費相場と運用ステップ」
https://geniee.co.jp/cx-navi/marketing/beauty-clinic-ad-cost/

クリニック経営の教科書「美容クリニックは広告費をどれくらいかければいいのか?」
https://w-c.co.jp/media/increase_patient/2942/

tokyo-doctors「美容整形外科の集客を徹底解説!知らないと損するマーケティング手法とは?」
https://tokyo-doctors.com/webdoctor/333

CBパートナーズ「美容クリニック倒産増加の背景と業界分析」
https://www.cb-p.co.jp/column/22117/

開業医が年収5,000万円を目指すための条件

開業医年収5000万を実現するには、明確な条件と戦略が必要です。この章では、具体的な到達条件と実際に高年収を実現している開業医の事例を紹介します。

年収5,000万円の現実性と到達条件

開業医年収5000万を達成するには、まず売上規模として最低でも年間1億円以上を確保しなければいけません。利益率を50%と仮定した場合、売上1億円で利益5,000万円となり、税金や社会保険料を差し引いた手取りが実際の年収となります。

年収5,000万円達成に必要な売上・患者数の目安

項目保険診療中心自由診療併用
目標年収5,000万円5,000万円
必要な年間売上約1億円約1億円
月間売上目標約830万円約830万円
平均診療単価5,000円10,000円
月間必要患者数約1,660人約830人
1日あたり患者数(診療日20日/月)約83人約42人
実現難易度高(効率重視)中(質重視)

年間売上1億円を実現するには、月間売上約830万円が必要です。診療報酬の平均単価を5,000円と仮定すると、月間で約1,660人の患者を診察する必要があります。診療日数を月20日とすると、1日あたり約83人の患者数が必要となる計算です。

  • 診療圏内に十分な人口があること
  • 競合クリニックとの差別化ができていること
  • 効率的な診療体制を構築していること

患者数を確保するには上記3点が必須条件です。待ち時間を短縮しつつ質の高い診療を提供するには、優秀なスタッフの確保と適切な業務分担が必要になります。

診療単価を上げることも重要な戦略です。保険診療だけでなく自由診療を組み合わせることで、平均診療単価を1万円以上に引き上げることもできます。この場合、必要な患者数は半分の約40人/日で済み、より質の高い診療に時間を割くことが可能です。

立地も年収5,000万円達成の重要な要素です。都心部の好立地では賃料が高額になりますが、それ以上に患者数を確保しやすく、診療単価も高く設定できる傾向があります。駅前や繁華街など人通りの多い場所は、新規患者の獲得にも有利です。

年収1億円を目指せるケースと制約

医師年収1億を目指せるのは、主に自由診療を中心とした美容医療や一部の自由診療クリニックです。年収1億円を実現するには、売上規模として2億円以上が必要となります。

美容外科クリニックで年収1億円を達成している事例では、複数の医師を雇用して診療規模を拡大し、自分は経営に専念するスタイルが多く見られます。院長自身の診療時間を減らして経営管理に注力することで、クリニック全体の収益を最大化する戦略です。

複数店舗展開も年収1億円を目指す有効な戦略です。1店舗で年収3,000万円を実現できるビジネスモデルを確立したら、同じモデルを他地域に展開することで収益の倍増が可能です。ただし店舗が増えるほど管理の複雑性が増し、経営リスクも高まります。

高額な自由診療を提供する専門クリニックも年収1億円を目指せる可能性があります。がん免疫療法や再生医療など、1回の治療で数百万円の費用がかかる先進医療を提供するクリニックでは、少ない患者数でも高収益の実現が可能です。

ただし年収1億円を目指すには相応のリスクも伴います。大規模な設備投資が必要になること、多くのスタッフを雇用する人件費負担、広告宣伝費の増大など、固定費が大きくなるため、患者数が減少した場合のリスクも大きくなります。

実際の成功事例・体験談

実際に高年収を達成している医師の事例を見てみましょう。

成功事例1:美容皮膚科A医師(東京都内)

項目内容
開業年数5年目
達成年収7,000万円
専門分野美容皮膚科(レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸)
成功の鍵SNS集患(Instagram、YouTube)、リピート率70%以上

東京都内で美容皮膚科を開業しているA医師は、開業5年目で年収7,000万円を達成しました。皮膚科専門医として保険診療の経験を積んだ後、美容皮膚科に特化したクリニックを開業。レーザー治療やボトックス、ヒアルロン酸注射などの施術に加え、オリジナルの化粧品販売も行うことで高収益を実現しています。

A医師の成功の鍵は、InstagramやYouTubeなどのSNSを活用した集患戦略です。施術の効果や患者の声を積極的に発信することで、遠方からも患者が訪れるクリニックとなりました。また丁寧なカウンセリングと確実な技術による高い患者満足度が、リピート率70%以上という驚異的な数字を実現しています。

成功事例2:整形外科B医師(大阪)

項目内容
開業年数10年目
達成年収6,000万円
専門分野スポーツ整形
成功の鍵スポーツチームとの提携、理学療法士5名雇用

大阪で整形外科クリニックを経営するB医師は、開業10年目で年収6,000万円を達成しました。スポーツ整形に特化し、アスリートや運動愛好家をターゲットとした専門性の高い診療を提供しています。リハビリ施設を充実させ、理学療法士を5名雇用して総合的なスポーツ医療を提供する体制を構築しました。

B医師の戦略は、地域のスポーツチームと提携してチームドクターを務めることで、安定した患者層を確保したことです。また最新の医療機器を積極的に導入し、他のクリニックでは受けられない高度な治療を提供することで、広範囲から患者を集めることに成功しています。

成功事例3:眼科C医師(福岡)

項目内容
開業年数記載なし
達成年収5,500万円
専門分野白内障手術特化
成功の鍵1日10件以上の効率的オペレーションシステム

福岡で眼科クリニックを経営するC医師は、白内障手術に特化することで年収5,500万円を実現しました。1日に10件以上の白内障手術をこなす効率的なオペレーションシステムを構築し、高齢化社会における需要の高さを活かしています。手術の質と安全性を維持しながら、効率化により多くの患者を受け入れる体制が成功の要因です。

開業医の年収を左右する要因

同じ診療科でも、開業医の年収には大きな差が生まれます。その差を生む主要な要因を理解することで、高年収を実現するための戦略が見えてきます。

立地(都市部と地方)の違い

立地は開業医の年収を左右する最も重要な要因のひとつです。都市部と地方では、患者数、診療単価、競合状況、賃料など、あらゆる面で条件が異なります。

項目都市部(東京23区など)地方都市
診療圏人口数万人以上数千〜1万人程度
月間賃料100万〜200万円50万〜100万円
平均診療単価高い(自由診療需要大)低い(保険診療中心)
競合クリニック数多い少ない
人件費(スタッフ給与)高い低い
想定年収レンジ3,000万〜5,000万円以上2,000万〜3,500万円

都市部の最大のメリットは診療圏人口の多さです。東京23区や大阪市内など人口密集地域では、徒歩圏内だけでも数万人の潜在患者が存在します。また都市部の住民は医療に対する意識が高く、自由診療への抵抗感も低い傾向があるため、診療単価を高く設定しやすい環境です。

一方で都市部は競合クリニックも多く、差別化が難しい面もあります。駅前の好立地には既に複数のクリニックが開業しており、新規参入のハードルは高くなっています。また賃料や人件費も高額で、月間の固定費が500万円を超えるケースも珍しくありません。

地方では競合が少なく、地域で唯一の専門クリニックとしてポジションを確立しやすい利点があります。また賃料や人件費が都市部の半分以下で済むため、固定費を抑えた経営が可能です。患者との距離も近く、地域に根ざした医療を提供することで、安定した患者層を確保できます。

ただし地方では診療圏人口が限られるため、患者数の上限も制約されます。また高齢化と過疎化が進む地域では、将来的な患者数減少のリスクの考慮が必要です。自由診療の需要も都市部より低く、保険診療中心の経営となるため、診療単価を上げにくい傾向があります。

規模・診療方針・稼働率

クリニックの規模も年収に大きく影響します。院長一人で診療する小規模クリニックと、複数の医師を雇用する中規模クリニックでは、収益構造が大きく異なります。

小規模クリニックのメリットは、固定費を低く抑えられることです。スタッフ数も最小限に抑えられるため、人件費負担が軽く、利益率を高く維持できます。院長の年収3,000万円を目指すのであれば、小規模クリニックで十分に実現可能です。

中規模クリニックでは、複数の医師を雇用することで診療キャパシティを拡大できます。院長が経営に専念し、雇用医師が診療を担当する体制を構築すれば、院長の診療負担を減らしながら収益の拡大が可能です。ただし医師の人件費は高額で、1名あたり年間2,000万円前後の負担となるため、十分な患者数を確保できなければ赤字に転落するリスクもあります。

診療方針も収益性に影響します。効率重視で多くの患者を短時間で診察するスタイルと、時間をかけて丁寧に診察するスタイルでは、患者数と診療単価のバランスが異なります。効率重視のスタイルは患者数を増やせますが、患者満足度が下がるリスクもあります。

稼働率の向上も重要な戦略です。予約システムを導入して予約枠を最適化し、診療の空き時間を最小限に抑えることで、同じ診療時間でより多くの患者を診察できます。また診療時間を延長して夜間診療や土曜診療を実施することで、勤務時間帯に通院できない患者を取り込むことも可能です。

医師の経営スキルとマネジメント力

医師としての臨床スキルが高くても、経営スキルが不足していれば高年収は実現できません。開業医年収5000万を達成している医師の多くは、優れた経営センスを持っています。

財務管理能力は経営の基本です。月次の収支を正確に把握し、固定費と変動費のバランスを最適化する能力が求められます。税理士任せにせず、自ら財務諸表を読み解き、経営判断に活かすことが重要です。

マーケティング能力も現代の開業医には必須のスキルです。WebサイトやSNSを活用した情報発信、地域住民への認知活動、口コミを生み出す患者満足度の向上など、多角的な集患戦略を展開する能力が求められます。

スタッフマネジメント能力も収益性に直結します。優秀なスタッフの採用、適切な育成、モチベーションを維持する能力がなければ、スタッフの離職が相次ぎ、サービスの質の低下も。スタッフが定着し、主体的に働く環境を作ることで、院長は診療や経営戦略に集中できます。

意思決定のスピードと質も重要です。医療機器の導入、スタッフの増員、診療時間の変更など、様々な経営判断を適切なタイミングで行う能力が求められます。決断を先延ばしにすることで機会損失が発生し、競合に遅れを取ることもあります。

開業スタイルと収益性の違い

開業スタイルの選択は、初期投資額、収益性、リスクの大きさを左右します。ここでは主要な開業スタイルを比較し、それぞれのメリットとデメリットを明らかにします。

開業スタイル別の比較表

項目新規開業承継開業ミニマム開業
初期投資額5,000万〜1億円3,000万〜8,000万円2,000万〜3,000万円
開業準備期間6〜12ヶ月3〜6ヶ月3〜4ヶ月
初月の患者数ゼロから既存患者ありゼロから
自由度非常に高い低い中程度
リスク
収益安定まで1〜2年即時1〜2年
向いている医師理想追求型安定重視型リスク回避型

ミニマム開業のメリットと注意点

ミニマム開業とは、初期投資を最小限に抑えた小規模な開業スタイルです。居抜き物件を活用し、必要最小限の医療機器だけを導入することで、開業費用を2,000万〜3,000万円程度に抑えることができます。

ミニマム開業の最大のメリットは、借入額を抑えられることです。借入が少なければ月々の返済負担も軽く、開業初期の資金繰りに余裕が生まれます。患者数が想定より少なくても、固定費が低いため赤字に陥るリスクを抑えられます。

また開業準備期間も短縮できます。大規模な内装工事が不要なため、物件取得から開業まで3〜4ヶ月程度で完了することも可能です。早期に診療を開始できれば、それだけ早く収益を得られます。

ただしミニマム開業には制約もあります。医療機器が限られるため、提供できる医療の範囲も限定されます。競合クリニックが最新機器を導入している場合、患者の獲得で不利になっていくでしょう。

また内装や設備が簡素であると、患者に与える印象も質素になりがちです。高級感や清潔感を重視する患者層を取り込みにくく、診療単価を高く設定しにくい傾向があります。将来的に規模を拡大する場合、再度の設備投資が必要になる点も考慮すべきです。

承継開業・M&Aの活用で初期から安定収入

承継開業とは、既存のクリニックを引き継ぐ形で開業するスタイルです。前院長が高齢による引退などで事業を譲渡するケースで、患者や医療機器、スタッフをそのまま引き継げる利点があります。

承継開業の最大のメリットは、開業初月から一定の患者数を確保できることです。新規開業では患者ゼロからのスタートとなり、軌道に乗るまで1〜2年かかることも珍しくありませんが、承継開業なら初月から月商数百万円を確保できます。

また医療機器や内装をそのまま使用できるため、初期投資を抑えられます。前院長の評判が良ければ、その信頼を引き継ぐ形で地域に根ざした診療も可能です。スタッフも既に業務に習熟しているため、教育コストも削減できます。

承継開業の費用は、営業権(のれん代)と医療機器の評価額、在庫医薬品の買取などを含めて、3,000万〜8,000万円程度が相場です。新規開業と比較すると初期投資は抑えられる場合が多く、開業初期から収益を確保できるため、投資回収も早い傾向にあります。

ただし承継開業には注意点もあります。前院長の診療スタイルや患者層をそのまま引き継ぐため、自分の理想とする診療を実現しにくい面も。診療方針を大きく変更すると既存患者が離れるリスクもあり、変革には慎重さが求められます。

また医療機器が古い場合、近い将来に更新費用が発生する可能性があります。承継前に機器の状態や耐用年数を十分に確認し、承継後の追加投資も見込んだ資金計画を立てることが必須です。前院長の評判が悪い場合や、医療事故などのトラブルがあった場合は、そのマイナスイメージも引き継ぐことになります。

新規開業との比較(投資額・リスク)

新規開業はゼロから自分の理想とするクリニックを作り上げるスタイルです。立地・内装・医療機器・診療方針のすべてを自由に決められる最大の自由度が魅力です。

新規開業の初期投資額は診療科や規模によって異なりますが、内科で5,000万〜7,000万円、整形外科で8,000万〜1億2,000万円程度が相場です。承継開業と比較すると初期投資は大きくなりますが、すべてを自分の希望通りに設計できる利点があります。

最新の医療機器を導入できるため、高度な医療を提供でき、患者へのアピールポイントとなります。内装も自分のコンセプトに合わせて設計できるため、ブランディングがしやすく、特定の患者層をターゲットにした戦略を展開できます。

リスクの面では、新規開業は患者ゼロからのスタートとなるため、集患に時間がかかります。開業後3ヶ月程度は患者数が少なく、月商が100万円に満たないケースも珍しくありません。この期間を乗り切るための十分な運転資金が必要です。

承継開業は初期から患者を確保できる安定性がある反面、前院長のスタイルに制約される自由度の低さがあります。新規開業は自由度が高い反面、集患に時間がかかるリスクがあります。自分の性格や経営戦略、資金状況に応じて、最適な開業スタイルを選択することが重要です。

近年では、承継開業と新規開業の中間的な選択肢として、居抜き物件を活用しつつ内装を一部リニューアルするハイブリッド型の開業も増えています。既存の設備を活用してコストを抑えつつ、自分らしさを加える戦略はリスクと自由度のバランスが取れた選択肢です。

開業医の年収に関するリスクと注意点

高年収を目指す一方で、開業医には様々なリスクが存在します。この章では失敗を避けるために理解すべきリスクと、具体的な対策を解説します。

儲からない開業医の特徴

儲からない開業医には共通の特徴があります。

儲からない開業医の5つの共通点

  • 立地選定の失敗:診療圏人口が少ない、競合が多すぎる場所での開業
  • 経営感覚の欠如:収支を把握せず、どんぶり勘定で経営を継続
  • 過剰な設備投資:借入額が膨らみすぎ、返済負担で経営圧迫
  • 集患努力の不足:広告宣伝や地域認知活動を怠り、患者数が伸び悩む
  • スタッフマネジメントの失敗:離職が相次ぎ、採用・教育コストが繰り返し発生

まず立地選定の失敗です。診療圏人口が少ない場所や、競合クリニックが乱立している場所での開業は、十分な患者数を確保できず苦戦します。家賃が安いからという理由だけで立地を選ぶと、集患に苦労します。

経営感覚の欠如も失敗の大きな要因です。医師としてのスキルは高くても、財務管理やマーケティング、スタッフマネジメントができなければ、経営は成り立ちません。収支を把握せず、どんぶり勘定で経営を続けると、気づいたときには資金繰りが悪化していることもあります。

過剰な設備投資も失敗の原因です。最新の医療機器に次々と投資し、借入額が膨らみすぎると、月々の返済負担で経営を圧迫します。必要以上に豪華な内装にこだわることも、費用対効果の観点から疑問です。患者数に見合った適切な規模の投資が重要です。

集患努力の不足も問題です。開業すれば自動的に患者が来ると思い込み、広告宣伝や地域への認知活動を怠ると、患者数は伸び悩みます。現代ではWebサイトやSNSでの情報発信が集患の鍵となりますが、これを軽視するクリニックは競合に遅れを取ります。

スタッフマネジメントの失敗も経営を悪化させる要因です。スタッフの離職が相次ぐと、採用コストと教育コストが繰り返し発生します。また経験不足のスタッフばかりになると、サービスの質が低下し、患者満足度も下がります。結果として口コミでの評判が悪化し、患者数の減少につながります。

資金繰り・借入リスクと失敗例

開業時の借入額が大きすぎると、返済負担で経営が圧迫されます。開業費用1億円を全額借り入れた場合、返済期間15年、金利2%と仮定すると、月々の返済額は約64万円、年間で約770万円です。

この返済を続けるには、最低でも月商300万円以上を安定的に確保する必要があります。しかし開業初期は患者数が少なく、月商100万円に満たないことも珍しくありません。この期間を乗り切るための運転資金が不足すると、資金ショートに陥ります。

実際の失敗例として、都心部に整形外科クリニックを開業したD医師のケースがあります。開業費用1億2,000万円を借り入れて最新設備を導入しましたが、近隣に大手整形外科クリニックがあり、思うように患者を獲得できませんでした。

開業1年目の月商は平均200万円程度にとどまり、固定費と借入返済を賄えず、毎月赤字が続きました。運転資金も底をつき、開業2年目には追加融資を申し込みましたが、経営状態の悪化を理由に断られました。最終的には開業3年目にクリニックを閉鎖し、大きな負債を抱えることになりました。

このケースの失敗要因は、競合調査の不足と借入額の大きさです。立地選定時に競合クリニックの存在を十分に調査せず、また必要以上に豪華な設備を導入したことで借入額が膨らみました。開業後の現実的な売上予測も甘く、運転資金も不足していました。

別の失敗例として、地方都市で美容皮膚科を開業したE医師のケースがあります。都市部での美容医療の成功事例を参考に、地方都市でも同様のビジネスモデルを展開しようとしましたが、地方では美容医療の需要が想定より少なく、患者数が伸び悩みました。

広告宣伝費に月100万円以上を投じましたが、費用対効果が悪く、新規患者の獲得コストが高すぎる状態が続きました。1年後には広告費を削減せざるを得なくなり、患者数はさらに減少。結局、開業2年目に保険診療中心のクリニックに方針転換し、美容医療への投資が無駄になってしまいました。

経営リスクを避けるためのチェックリスト

開業前に確認すべき重要なチェックリストをまとめます。

開業前に必ず確認すべき5つのチェックポイント

1. 立地調査

  • 診療圏人口は十分か
  • 競合クリニックの数と評判
  • 交通アクセスと駐車場の確保
  • 将来的な人口動態

2. 資金計画

  • 自己資金開業費用の30%以上あるか
  • 借入返済計画は現実的か
  • 運転資金は最低6ヶ月分確保しているか
  • 固定費は売上の60%以内に収まるか

3. 集患戦略

  • ターゲット患者層は明確か
  • 差別化ポイントは具体的か
  • WebサイトやSNSでの情報発信計画はあるか
  • 開業告知の計画は十分か

4. 経営管理

  • 月次の収支を把握する仕組みはあるか
  • 税理士や会計士のサポート体制は整っているか
  • キャッシュフロー管理の方法は確立しているか

5. リスク管理

  • 医療事故への備えは十分か
  • 患者クレームへの対応手順は確立しているか
  • 経営悪化時の対応策は考えているか

FAQ:開業医の年収に関するよくある質問

開業を検討する医師から寄せられる、年収に関する代表的な質問に回答します。

開業医の手取りはいくら残るの?

開業医の手取りは年収から税金と社会保険料を差し引いた金額となります。年収3,000万円の場合、所得税と住民税で約900万円、社会保険料で約300万円が差し引かれ、手取りは約1,800万円となります。

ただしこれは個人事業主として開業した場合の目安です。医療法人を設立して役員報酬として給与を受け取る場合は、給与所得控除が適用されるため、税負担を軽減できます。年収3,000万円を法人から給与として受け取る場合、手取りは約1,900万〜2,000万円程度に増加します。

また借入金の返済も実質的な支出となります。開業時に5,000万円を借り入れた場合、月々の返済額は約40万円、年間で約480万円となります。この分は手取りから支払うことになるため、実際に自由に使える金額はさらに減少します。

将来の設備投資や運転資金の確保も考慮する必要があります。医療機器の更新費用や建物のメンテナンス費用は、数年に一度まとまった支出が発生するため、毎年一定額を積み立てておくことが賢明です。

勤務医から開業医になると本当に収入は増える?

勤務医から開業医になって収入が増えるかは、診療科、立地、経営能力によって大きく異なります。開業医の平均年収は2,500万〜3,000万円で、勤務医の平均年収1,500万〜2,000万円と比較すると確かに高いです。

ただし開業初期は患者数が少なく、勤務医時代より年収が下がることも珍しくありません。開業1年目は年収1,000万円程度にとどまり、軌道に乗るまで2〜3年かかるケースも多くあります。この期間を乗り切るための精神的・経済的な余裕が必要です。

また開業医は労働時間が長くなる傾向があります。診療時間だけでなく経営管理・スタッフマネジメント・集患活動など、診療以外の業務にも多くの時間を割くことが多いです。時給換算すると、勤務医時代とあまり変わらない、あるいは下がるケースもあります。

経営が軌道に乗れば、勤務医時代の2倍以上の年収を実現することも可能です。ただしそれには適切な立地選定・効率的な経営・継続的な集患努力が必要です。単に「開業すれば収入が増える」と安易に考えるのは危険です。

自由診療を導入すれば年収は必ず上がる?

自由診療を導入すれば診療単価を上げられるため、理論的には年収を増やせます。ただし自由診療は患者の全額自己負担となるため、需要は保険診療より限られます。

美容医療など自由診療中心のクリニックでは、年収5,000万円以上を実現している事例も多くあります。ただしそれには高い技術力、充実した設備、効果的なマーケティングが必要です。広告宣伝費も高額になる傾向があり、月100万円以上を投じているクリニックも珍しくありません。

保険診療中心のクリニックに自由診療を追加する戦略も有効です。例えば皮膚科クリニックで美容皮膚科のメニューを追加したり、整形外科でPRP療法などの再生医療を提供したりすることで、診療単価を上げられます。

ただし自由診療には医療事故のリスクや患者クレームのリスクも高まります。効果が期待通りでなかった場合、患者からのクレームや返金要求につながる可能性があります。十分なインフォームドコンセントと、確実な技術の提供が不可欠です。

承継開業と新規開業ではどちらが有利?

承継開業と新規開業のどちらが有利かは、状況によって異なります。承継開業のメリットは、開業初月から患者を確保でき、収益の立ち上がりが早いことです。医療機器や内装をそのまま使用できるため、初期投資も抑えられます。

ただし承継開業では、前院長の診療スタイルや患者層を引き継ぐため、自分の理想とする診療を実現しにくい面があります。また医療機器が古い場合、近い将来に更新費用が発生します。承継価格が適正かどうかの判断も難しく、専門家のアドバイスが必要です。

新規開業のメリットは、すべてを自分の希望通りに設計できる自由度の高さです。最新の医療機器を導入でき、内装も自分のコンセプトに合わせて設計できます。ブランディングもゼロから構築できるため、特定の患者層をターゲットにした戦略を展開しやすいです。

ただし新規開業は患者ゼロからのスタートとなり、集患に時間がかかります。初期投資も承継開業より大きくなる傾向があり、資金負担が重くなります。リスク許容度が高く、時間をかけて理想のクリニックを作りたい医師には新規開業が向いています。

開業のリスクをなくす「第3の選択肢」

開業には大きな資金とリスクが伴います。高年収を実現したいが、経営リスクは避けたいという医師には、別の選択肢も存在します。

自己資金融資・補助金の手間なく、院長として理想の医療を実現する道

開業と勤務医の中間的な選択肢として、雇われ院長という働き方があります。既存の医療法人やクリニックグループに院長として雇用される形で、経営リスクを負わずに高収入を得られる可能性があります。

雇われ院長の年収は2,500万〜4,000万円程度が相場で、開業医の平均年収に匹敵します。経営の責任は本部が負うため、数千万円の借入をする必要がなく、資金的なリスクはゼロです。開業準備の手間や時間も不要で、すぐに診療活動を開始できます。

診療方針についてはある程度の裁量が与えられることが一般的です。スタッフの採用や育成、集患活動なども本部がバックアップする体制が整っているため、医師は診療に専念できます。最新の医療機器や設備も法人が用意するため、設備投資の負担もありません。

勤務時間や休日についても、ある程度の柔軟性があります。週4日勤務や時短勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方を選択できるケースもあります。開業医のように経営に追われることなく、医師としての専門性を活かした診療に集中できる環境です。

ただし雇われ院長は雇用契約であるため、契約条件によっては自由度が制限される場合もあります。診療方針や経営判断について、本部の方針に従う必要がある場面もあります。また契約期間が定められている場合、更新されない可能性もあります。

まずは無料キャリア相談で、最適なキャリアプランを一緒に考えましょう

開業するか・勤務医を続けるか・雇われ院長になるか、それぞれにメリットとデメリットがあります。あなたの状況や希望に合わせた最適なキャリアプランを、無料のキャリア相談でご提案します。

経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの理想とする医療のビジョン・収入目標・ライフスタイルの希望などを丁寧にヒアリングします。その上で、開業・勤務医継続・雇われ院長など、複数の選択肢を客観的に比較し最適な道をご提案します。

開業を選択する場合は、診療科に応じた開業費用の見積もり・資金調達の方法・立地選定のアドバイス・開業後の経営サポートまで、トータルサポート。雇われ院長を選択する場合は、条件に合った求人情報のご紹介や、契約条件の交渉サポートも行います。

相談は完全無料で、秘密厳守でお受けします。開業資金や経営面での不安を感じている先生方にとって、新たな選択肢となる可能性があります。まずはお気軽にお問い合わせください。あなたのキャリアと収入を最大化するための最適な道を、一緒に見つけていきましょう。

まとめ

開業医で年収5,000万円を実現することは決して不可能ではありませんが、診療科や立地、経営戦略によって実現可能性は大きく異なります。開業医の平均年収は2,500万〜3,000万円程度ですが、整形外科や眼科、美容系クリニックなどでは年収5,000万円以上、さらには医師年収1億円を達成している事例も存在します。

診療科別に見ると、整形外科、眼科、美容皮膚科などが高収益を実現しやすい診療科です。自由診療を取り入れることで診療単価を上げ、収益性を高めることができます。一方で内科や小児科など保険診療中心の診療科では、多くの患者数を確保する効率的な経営が求められます。

年収5,000万円を達成するには、年間売上1億円以上が必要です。これを実現するには、適切な立地選定、効率的な診療体制の構築、継続的な集患努力、優れた経営スキルが不可欠です。立地は都市部の方が患者数を確保しやすく、診療単価も高く設定できる傾向があります。

開業スタイルの選択も重要です。新規開業は自由度が高い反面、初期投資が大きく集患に時間がかかります。承継開業は初期から患者を確保でき安定性が高い反面、自由度は制限されます。ミニマム開業は初期投資を抑えられますが、提供できる医療の範囲も限られます。

開業医にはリスクも伴います。借入額が大きすぎると返済負担で経営が圧迫され、立地選定を誤ると十分な患者数を確保できません。経営スキルが不足していると、財務管理やスタッフマネジメントがうまくいかず、経営が悪化します。これらのリスクを理解し、適切に対策することが成功につながります。

開業以外の選択肢として、雇われ院長という働き方もあります。経営リスクを負わずに開業医に匹敵する年収を得られる可能性があり、診療に専念できる環境で理想の医療を実践できます。

いずれの道を選ぶにしても、自分の状況や希望に合わせた最適な選択をすることが重要です。開業による高年収の魅力と、それに伴うリスクを正しく理解し、確かな戦略のもとでキャリアを築いていくことで、医師としての専門性を活かしながら経済的にも満足できる人生を実現できるでしょう。

コラム一覧

医師相談メディアを
利用すると

最短2週間で内定!

カウンセリングから平均2〜3週間で内定を獲得!

    \ご相談はこちらから/

    これまでに就職したことはありますか?