「ドキッ」とした経験はありませんか?それはもしかしたら、期外収縮のサインかもしれません。心臓がドキドキしたり、脈が飛んだりする期外収縮は、実は、多くの人が経験するありふれた不整脈です。
今回は、期外収縮の原因や症状、治療法、予防策まで、専門医がわかりやすく解説していきます!詳細が気になる方は是非最後までお読みください。
目次
期外収縮とは
期外収縮とは、心臓が本来のリズムとは異なるタイミングで、 余計にドキドキしてしまう不整脈の一種です。健康な人でも起こるごくありふれた不整脈なので、過度に心配する必要はありません。
【期外収縮の仕組み】心臓のリズムはどうなっている?
心臓は全身に血液を送るために、規則正しく拍動しています。この拍動のリズムは、心臓の中にある「洞結節」という電気信号を発する場所で決められています。
洞結節から発生した電気信号は、心臓全体に伝わり心筋を収縮させます。これが規則正しい心臓の拍動です。しかし、期外収縮が起こると、洞結節以外の場所から異常な電気信号が発生してしまいます。
この異常な電気信号によって、心臓が本来のリズムとは異なるタイミングで収縮してしまう、 それが期外収縮です。
【期外収縮の種類】発生場所によって名前が変わる?
期外収縮は、異常な電気信号が発生する場所によっていくつかの種類に分けられます。
- 上室性期外収縮:心臓の上側の部屋である「心房」から発生する期外収縮
- 心室性期外収縮:心臓の下側の部屋である「心室」から発生する期外収縮
心室性期外収縮は、上室性期外収縮よりも、動悸や脈が飛ぶなどの自覚症状を感じやすい傾向があります。
期外収縮の症状
期外収縮の症状は人それぞれですが、一般的には次のような症状が現れます。
- 動悸:心臓がドキドキする、脈打つ感じがする。胸がドキドキして、不安になる人もいるかもしれません。
- 脈飛び:脈が一回飛ぶ、または遅れるように感じる。「あれ?脈がおかしい」と感じるのは、この脈飛びが原因かもしれません。
- めまい:一部の人では、期外収縮により脳への血流が一時的に低下し、軽いめまいや立ちくらみを感じることがあります。
- 胸の違和感:胸が締め付けられる、圧迫感が出現することがあります。
ただし、自覚症状がない場合も少なくありません。期外収縮は、健康な人にも起こるものですが、あまりにも頻繁に起こる場合や、強い症状が出る場合は注意が必要です。
期外収縮の原因
期外収縮は、健康な人にも起こるものですが、その原因は一体何なのでしょうか?実は、期外収縮を引き起こす要因は、加齢や生活習慣、病気など実に様々です。
生活習慣と期外収縮の関係
- 睡眠不足:睡眠不足が続くと、体がストレスを感じて、自律神経のバランスが乱れ、期外収縮のリスクが高まります。
- ストレス:強いストレスを感じると、交感神経が優位になり、心臓が興奮状態になることで、期外収縮が起こりやすくなります。
- 過労:過労も体に大きなストレスを与え、期外収縮の原因となります。
- カフェイン・アルコールの過剰摂取:コーヒーや緑茶に含まれるカフェイン、そしてアルコールは、心臓を興奮させる作用があり、期外収縮を誘発する可能性があります。
- 喫煙:タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血圧を上昇させるため、心臓に負担をかけてしまいます。
「心当たりがある…」と感じた人は、生活習慣を見直す良い機会かもしれません。
基礎疾患と期外収縮の関係
期外収縮は、心臓病などの基礎疾患が隠れているサインである可能性もあります。特に、下記のような病気がある場合は注意が必要です。
- 心臓病:心筋梗塞、狭心症、弁膜症、心筋症などの心臓病があると、心臓の構造や機能に異常が生じ、期外収縮が起こりやすくなります。
- 高血圧:高血圧は、心臓に負担をかけ、期外収縮のリスクを高めるだけでなく、動脈硬化を進展させ、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気を引き起こす可能性もあります。
- 甲状腺疾患:甲状腺ホルモンは、心臓の働きを調節する役割を担っています。甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症になると、このバランスが崩れ、期外収縮などの不整脈が現れることがあります。
その他、期外収縮に繋がるケースとは?
上記以外にも、期外収縮に繋がるケースはいくつかあります。
- 加齢:心臓の機能は、加齢とともに低下していくため、高齢になると期外収縮が起こりやすくなる傾向があります。
- 薬の副作用:風邪薬や鼻炎薬など、一部の薬には、期外収縮などの不整脈を引き起こす副作用があります。
- 特発性:検査をしても原因が特定できない、特発性の期外収縮もあります。
これらの要因によって、心臓に負担がかかり期外収縮が起こりやすくなると考えられています。
期外収縮の治療法
「期外収縮って放っておいても大丈夫なの?」多くの人が抱く疑問だと思います。実は、ほとんどの期外収縮は治療の必要がなく、経過観察で問題ありません。
ただし、頻度が多かったり、強い症状が出ていたりする場合、または基礎疾患が隠れている場合は、適切な治療が必要になります。
どんな時に治療が必要?
治療が必要かどうかは、医師が期外収縮の頻度や症状、基礎疾患の有無などを総合的に判断します。具体的には、以下のような場合は治療を検討することがあります。
- 期外収縮の頻度が多い:一日中続く、または日常生活に支障が出るほど頻繁に起こる場合。24時間ホルター心電図で検査をして全心拍の10%以上期外収縮が出ている場合。
- 強い症状がある:動悸や息切れがひどく、辛い場合。
- 基礎疾患がある:心臓病や甲状腺疾患など、期外収縮の原因となる基礎疾患がある場合。
治療法にはどんなものがあるの?
期外収縮の治療法には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 生活習慣の改善:睡眠不足やストレス、カフェインの摂りすぎなど、生活習慣が原因で期外収縮が起こっている場合は、生活習慣を改善することで症状が改善することがあります。
- 薬物療法:抗不整脈薬などを使って、期外収縮を抑える治療法です。
- カテーテルアブレーション:カテーテルと呼ばれる細い管を血管から心臓まで挿入し、期外収縮の原因となっている心臓の部位に高周波電流を流して焼灼する治療法です。
期外収縮を予防するには
期外収縮は、生活習慣の改善によって予防できる可能性があります。大切なのは、心臓に負担をかけない、規則正しい生活を送ることです。
今日からできる具体的な予防策
- 十分な睡眠:睡眠不足は期外収縮のリスクを高めるため、質の高い睡眠を十分にとりましょう。
- ストレス解消:ストレスをためこまないように、適度な運動や趣味など、リラックスできる時間をつくりましょう。
- バランスの取れた食事:塩分や脂肪分を控え、野菜や果物を積極的に摂るようにしましょう。
- 適度な運動:軽い運動は、ストレス解消になるだけでなく、心臓の機能を高める効果もあります。
- カフェイン・アルコールの制限:コーヒーや緑茶、アルコールの摂りすぎは控えましょう。
- 禁煙:タバコは心臓に悪影響を与えるため、禁煙しましょう。
- 定期的なチェック:健康診断などで定期的に心臓の状態をチェックすることも大切です。
まとめ
期外収縮は、多くの場合心配のない不整脈ですが、中には治療が必要なケースや、他の病気のサインである場合もあります。
「もしかして期外収縮かも?」と思ったら、まずは、ご自身の生活習慣を見直してみましょう。そして、少しでも不安に感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医の診察を受けるようにしてください。
正しい知識と適切な対応で、あなたの心臓の健康を守りましょう。
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