健康診断の当日・前日で注意すべきこと

この記事を書いた人
坂口 海雲

大阪市立大学医学部を卒業後、大阪市立大学循環器内科に入局。ベルランド総合病院、大阪市立大学病院への勤務を経て、福島吉野スマイル内科・循環器内科を開院。Dr.AGAクリニックの総院長も就任中。

所属:日本内科学会日本循環器学会、医学博士(循環器内科)

-健康診断の当日・前日で注意すべきこと

健康診断は私たちの健康状態を把握し、病気の早期発見・予防に大いに役に立ちます。
それぞれの健康診断は特定の条件での体調や体の状態を測定するため、診断を正確にするためには、前日と当日の行動に気をつけることが重要です。健康診断の前日と当日に注意すべきいくつかのポイントを解説します。


-血液検査

健康診断の当日や前日には特に注意すべき点があり、その中で血液検査に対しては次のような事項が挙げられます。

前日の注意事項
1. アルコールの摂取制限:アルコールは体内に様々な影響を及ぼし、特に肝機能の指標に影響を及ぼす可能性があるため、前日はアルコールを避けるようにしてください。

2. 高脂肪食の制限:高脂肪食は血液検査の結果に影響を及ぼす可能性があるため、前日は脂っこい食事を避けることが推奨されます。
3. 適切な水分補給:脱水状態は血液検査の結果に影響を及ぼす可能性があるため、適切な水分補給を心掛けてください。甘い清涼飲料水などは血糖値に影響を及ぼすため、お水やお茶などの糖分が入っていないものにしましょう。

当日の注意事項
1. 空腹状態での受診:特にコレステロールや血糖値の検査の場合、最後の食事から12時間以内には検査を受けないようにすることが一般的に推奨されています。これは食後の血糖値やコレステロール値の上昇を避けるためです。
2. 過度な運動の避ける:運動は血液中のいくつかの成分を一時的に上昇させる可能性があるため、健康診断の直前には避けることが推奨されます。
3. 服薬の注意:健康診断を受ける前に服薬をする場合は、医師に相談してください。一部の薬は血液検査の数値に影響を及ぼす可能性があります。
これらの注意事項はあくまで一般的なものであり、具体的な指示は各施設の指示に従ってください。また、健康状態により異なるため、不安な点は必ず医療スタッフに確認してください。

-中性脂肪、血糖値

中性脂肪に関する注意事項:
1. 食事の制限:健康診断の前日には、高脂肪や油っこい食事を避けることが望ましいです。これによって中性脂肪の値が一時的に上昇することを防ぐことができます。
2. 絶食時間:健康診断当日の朝は、指示された絶食時間を守ってください。通常は、絶食時間は8〜12時間程度です。絶食によって正確な中性脂肪値を測定することができます。
血糖値に関する注意事項:
1. 糖分や炭水化物の摂取:健康診断の前日には、特に高糖分や高炭水化物の食事を控えることが望ましいです。これによって血糖値の値が一時的に上昇することを避けることができます。
2. 絶食時間:健康診断当日の朝も、絶食時間を守る必要があります。血糖値の測定には空腹時の値が重要であり、指示された絶食時間を守ることが大切です。

-尿検査

1. 水分摂取:
尿検査の前日から当日にかけて、通常通りの水分摂取を行ってください。水分不足は尿量を減らし、尿中の成分の濃度を高める可能性があります。ただし、過剰な水分摂取も尿の希釈につながるため、適度な水分摂取が重要です。
2. 飲食制限:
一部の尿検査では、特定の食品や飲み物の摂取を制限する必要があります。診断を予定している医療機関や健康診断の担当者によって、具体的な指示が与えられる場合があります。指示に従って、必要な制限を遵守してください。
3. 薬の服用:
尿検査の前日や当日には、薬の服用に関する指示があるかもしれません。特定の薬物は尿中の成分に影響を及ぼす可能性があるため、診断を行う医師や専門家に相談し、指示に従ってください。
4. 清潔な容器:
尿検査のために尿を提供する場合、指示に従って適切な容器を使用してください。容器は清潔で、尿以外の物質が混入しないように注意しましょう。また、尿の収集方法や保存方法に関する具体的な指示も確認してください。

-胃カメラ

当院では胃カメラの検査は行っていませんが、一般的な健康診断に含まれる胃カメラ(内視鏡)検査に備えるために、当日及び前日に注意すべきことは以下のとおりです。

【前日】
1. 食事制限:
検査の前日から、消化が良く、繊維の少ない食事を摂るようにしましょう。最後の食事は、検査の12時間前までに摂ることが一般的です。具体的な時間は医療機関によって異なるので、詳しい指示は担当医や看護師に聞くことをおすすめします。
2. 飲酒制限:
アルコールは胃に刺激を与えるため、検査前日は飲酒を控えてください。
3. 薬物の服用:
血液凝固を防ぐ薬(抗血小板薬や抗凝固薬)を服用している場合、事前に医師に相談してください。これらの薬は一時的に中止することが必要な場合があります。

【当日】
1. 空腹状態:
検査は空腹時に行われます。指定された時間以降は食事や飲み物(水を含む)を摂らないでください。
2. 着替え:
検査中はリラックスした状態でいられるよう、着替えやバスローブを用意しておくと便利です。また、喉を麻酔するスプレーが服に付着する場合があるので、洗いやすい服装を選ぶとよいでしょう。
3. 交通手段
鎮静剤を使用する場合、検査後は自身で運転することは避けてください。家族や友人に迎えに来てもらう、または公共交通機関を利用することを計画しておきましょう。
これらのポイントを抑えておけば、胃カメラの検査をスムーズに受けることができます。具体的な指示については、医療機関に確認してください。

-飲酒

飲酒
健康診断の前日の飲酒は避けるようにしましょう。アルコールは肝機能の指標であるγ-GTP(ガンマGTP)などの数値を一時的に上昇させ、健康診断の結果を正確に反映しない可能性があります。また、飲酒は翌日の体調を優れないものにし、血圧や脈拍の数値に影響を与える可能性もあります。
当日の飲酒についても同様で、特に空腹時の飲酒は血糖値の急激な変動を引き起こす可能性があります。また、アルコールは尿量を増やす働きがあるため、尿検査の結果に影響を及ぼす可能性があります。

-サプリメントと喫煙

健康診断は身体の健康状態を把握し、病気の早期発見と予防に役立つ重要なツールです。診断の結果が正確であるためには、検査の前日と当日に特定の行動を避けたり、特定の指示に従ったりすることが必要です。特に、サプリメントの摂取と喫煙は、健康診断の結果に影響を及ぼす可能性があります。

【サプリメント】
サプリメントは、栄養補助食品で、体に必要な栄養素を補うために使われます。しかし、一部のサプリメントは健康診断の結果に影響を及ぼす可能性があります。

1. 健康診断の前日:
サプリメントは、血液検査の結果に影響を及ぼす可能性があります。たとえば、ビタミンB12や鉄のサプリメントは、血液検査の結果を歪めることがあります。健康診断の前日は、これらのサプリメントを避けることを検討してください。
2. 健康診断の当日:
空腹時の血液検査が必要な場合、サプリメントも食事と同じく摂取を避けてください。検査前に水分を摂ることは通常許可されていますが、サプリメントを含めた食事やドリンクは避けるようにしましょう。

【喫煙】
喫煙は、健康診断の結果に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
1. 健康診断の前日:
翌日の健康診断に備えて、前日から喫煙を控えることを推奨します。ニコチンと他の化学物質は血液中に留まり、血液検査の結果を歪める可能性があります。
2. 健康診断の当日
:特に、血圧測定や肺機能テストが含まれる場合、当日の喫煙は避けてください。喫煙は心拍数と血圧を一時的に上げ、肺機能を一時的に低下させるため、検査結果に影響を及ぼす可能性があります。

健康診断に向けての準備は、正確な結果を得るための重要なステップです。サプリメントの摂取や喫煙については、具体的な疑問がある場合は、事前に医療専門家に相談することをお勧めします。

電話が混み合っている場合もありますが、通話可能ですのでお待ちいただければ幸いです。


よくある質問


-健康診断の前日にやってはいけないこと

健康診断の前日には以下のことを避けることが推奨されています。

1. 過度な飲食:
健康診断の結果に影響を与える可能性があるため、飲食は適度に控えてください。特に、アルコールは肝機能の検査結果に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
2. 過度な運動:
過度な運動も心拍数や血圧などの測定結果に影響を及ぼす可能性があります。健康診断前日は適度な運動に留めておきましょう。
3. 飲食の制限:
特に血液検査を行う場合、検査の前日は飲食を控える、または軽めにすることが一般的です。これは、飲食が検査結果に影響を与える可能性があるためです。具体的な飲食制限については、主治医または検査施設の指示に従ってください。
4. 薬の服用:
特定の薬は血液検査の結果に影響を与える可能性があります。健康診断前日に服用する薬については、必ず主治医または検査施設に確認してください。
5. 睡眠不足:
良い健康診断の結果を得るためには、十分な睡眠が必要です。睡眠不足は血圧や心拍数に影響を及ぼし、不正確な結果をもたらす可能性があります。

健康診断の前日は、できるだけ普段通りの生活を心掛け、ストレスを避け、十分な休息を取ることが重要です。具体的な注意事項は、健康診断を行う施設や主治医からの指示に従ってください。

-健康診断の前日に、どうすごしたらよいのか

健康診断の前日は、以下のポイントを注意して過ごすと良いでしょう。
1. 飲食の制限:
健康診断の前日は適度な飲食に留め、飲み物についてもアルコールやカフェインを含むものは避けてください。また、健康診断によっては、空腹状態での採血を求められる場合があります。そのため、前日の夜間から飲食を控える必要があります。
2. 十分な休息:
身体のコンディションを最適にするために、十分な睡眠をとることが大切です。質の良い睡眠をとることで、健康診断の結果も正確になります。
3. 適度な運動:
健康診断の前日に過度な運動をすると、身体の反応が変わり、診断結果に影響を及ぼす可能性があります。適度な運動に留めてください。
4. 薬の服用について:
常用している薬やサプリメントがある場合、その服用をどうするかについては事前に医療スタッフに確認してください。一部の薬物は血液検査の結果に影響を与える可能性があるからです。
5. ストレスの管理:
高いストレス状態では身体の反応も変わりますので、リラックスして過ごすことが望ましいです。適度な休息とリラクゼーションを取り入れて、リラックスした状態で健康診断を迎えましょう。

健康診断の前日にこれらのことを意識して過ごすことで、正確な結果を得られる可能性が高まります。

健康診断の当日・前日に、何を食べたらよいのか(どのようなメニュー)あめやガムを食べてよいのか?

前日の食事:
– 脂肪や繊維の摂取を控えめにすることがあります。消化に時間がかかる食品や油っこい食事は避けるようにしましょう。
– 高カロリーな食品や重い食事も控えるべきです。胃の消化負荷を軽くするために、軽食や消化の良い食品を選ぶと良いでしょう。
– 水分を適度に摂りましょう。脱水症状にならないように、普段通りに水やお茶を飲んでください。


当日の食事:
– 基本的には通常の食事を摂ることができますが、検査項目によっては絶食が必要な場合もあります。診断センターや医師の指示に従ってください。
– 血液検査を受ける場合には、絶食が必要なことがあります。検査の前には何も食べず、水分のみを摂るよう指示されることがあります。

あめやガムについてですが、通常の健康診断では特に問題ありませんが、絶食が必要な検査を受ける場合には避けるべきです。お水やお茶などの糖分が含まれていない水分は制限はありません。
重要な点は、健康診断の前日や当日の食事については、医師や診断センターの指示に従うことです。あなたの個別の状況に応じて、最適な食事プランを提案することができますので、医療専門家に相談してください。


-健康診断の前日・当日に水は何時間前まで飲んでよいのか、またお茶、コーヒーは飲んでよいのか?糖分・脂質の多い飲み物を飲んでも良いのか?

一般的に、健康診断の前日や当日には特別な制限が必要な場合を除いて、糖分や資質が含まれていない、通常の水やお茶、ブラックのコーヒーは制限なく摂取することができます。ただし、特定の検査や検査項目によっては、空腹状態が必要な場合があります。

具体的な指示や制限は、医師や健康診断の担当者によって異なる場合がありますので、診断を行う機関の指示に従うことが重要です。通常は、健康診断の前日の夜の一定の時間から絶食するように指示されることがあります。また、特定の検査項目については、飲食物の制限や禁止がある場合もあります。

お茶やコーヒーに関しては、カフェインや添加物の影響により、一部の検査項目に影響を与える可能性があるため、特定の検査においては制限される場合があります。また、糖分や脂質の多い飲み物についても、特定の検査項目に影響を与える可能性があるため、診断機関の指示に従うことが重要です。

健康診断の前日や当日の飲食に関する具体的な制限や指示は、医療機関や担当の医師によって異なる場合がありますので、診断を受ける前に必ず確認するようにしてください。

-尿検査は朝一でないとだめなのか

一般的に、尿検査は朝一番の尿が最も適しています。これは、夜間の睡眠中に体内で蓄積された物質が排泄されるためです。朝一番の尿は、排尿から時間が経っているため、尿中の物質や成分の濃度がより高くなります。
朝の最初の尿は、特に尿路感染症や腎臓疾患、糖尿病などの検査に有用です。例えば、尿路感染症の場合、朝の最初の尿は細菌や炎症マーカーの濃度が高くなっているため、より正確な診断が可能です。 ただし、すべての尿検査が朝一番の尿で行われなければならないわけではありません。一部の尿検査では、特定の物質や成分を評価するために、異なるタイミングの尿を提供する必要がある場合もあります。医師や検査室の指示に従うことが重要です。

尿検査を受ける前に、具体的な指示や制約がある場合は、医師や検査室に相談してください。彼らは最適な検体収集方法についての指示を提供することができます。

-健康診断の当日・前日にタバコを吸っても良いのか?

医療の専門家としてお答えしますが、タバコは健康に対して多くの悪影響を及ぼすことが知られています。したがって、健康診断の前日や当日にタバコを吸うことはお勧めできません。
タバコの煙には有害物質や発がん性物質が含まれており、健康診断の結果に影響を与える可能性があります。
特に、肺機能や心血管系の評価を行う場合には、タバコの喫煙が正確な結果を妨げることがあります。
また、健康診断は現在の健康状態を正確に評価するために行われます。タバコの喫煙は一時的に血圧を上昇させたり、肺機能を低下させたりすることがあります。そのため、タバコを吸うことで正確な結果が得られない可能性があります。
もしもタバコを吸っている場合であれば、できるだけ健康診断の前日や当日には控えるようにしましょう。
そして、喫煙についてはできるだけ早く減らしたり、禁煙することが健康にとって有益です。禁煙の方法やサポートについては、医療専門家や禁煙クリニックに相談してみることをおすすめします。

まとめ


医健康診断の当日や前日には、いくつかの注意点があります。以下にまとめてみました。

1. 検査の指示に従う:
健康診断にはさまざまな検査が含まれます。検査の種類や要求事項について、事前に医師や医療スタッフからの指示をよく確認しましょう。特定の検査の前には、断食や特定の飲食物の制限が必要な場合があります。
2. 飲食物の制限:
特定の検査では、断食が必要な場合があります。例えば、血液検査では12時間の断食が必要なことがあります。指示に従い、診断前の飲食物や飲み物に制限をかけましょう。また、アルコールやカフェインの摂取も避けるようにしましょう。
3. 薬の服用:
日常的に服用している薬がある場合は、診断前に医師に相談しましょう。特定の薬剤は検査結果に影響を及ぼす可能性があるため、医師の指示に従って服用するか調整する必要があります。
4. 睡眠と休養:
健康診断の前日は、十分な睡眠を確保しましょう。良い睡眠は身体のリフレッシュに役立ち、検査の結果にも影響を及ぼす可能性があります。また、診断当日は、余裕を持ったスケジュールを組んでストレスを軽減し、リラックスできる状態を保ちましょう。
5. 必要な資料の準備:
診断前に必要な資料や文書(指定用紙、予約確認書など)を用意しておきましょう。これにより、診断の待ち時間を短縮し、スムーズなプロセスを進めることができます。
6. 身体的な活動の制限:
特定の検査や診断方法によっては、身体的な活動の制限が必要な場合があります。例えば、エコー検査や心電図検査の前には、過度の運動や身体的な負荷を避けるようにしましょう。
健康診断の当日や前日は、指示に従い、身体の状態を整えることが重要です。医師や医療スタッフとのコミュニケーションをしっかりと取り、診断の目的を達成するために適切な準備を行いましょう。

電話が混み合っている場合もありますが、通話可能ですのでお待ちいただければ幸いです。

確認させていただき次第、当院からメールで連絡をさせていただきます。