自宅でできるむくみ緩和法

この記事を書いた人
坂口 海雲

大阪市立大学医学部を卒業後、大阪市立大学循環器内科に入局。ベルランド総合病院、大阪市立大学病院への勤務を経て、福島吉野スマイル内科・循環器内科を開院。Dr.AGAクリニックの総院長も就任中。

所属:日本内科学会日本循環器学会、医学博士(循環器内科)

自宅でできるむくみ緩和法

長時間の立ち仕事や座り仕事、塩分の摂りすぎ、ホルモンバランスの乱れなど、日常生活の中で誰にでも起こりうる「むくみ」。この厄介な症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

むくみを予防することはもちろん大切ですが、すでに発生してしまったむくみを素早く緩和することも同様に重要です。適切な対策を講じることで、むくみの不快な症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。

今回は、すでに発生してしまったむくみを緩和するための具体的な方法を解説していきます。お仕事の合間やテレビを見ながらでも取り入れられる手軽で続けやすいものばかりなので、是非試してみてください。

手軽にできるむくみ解消法

むくみを解消するための物理的な方法は、簡単に実践できるうえに効果的です。

足を高く上げる

床やベッドに横になり、クッションや枕を使って足を心臓より高い位置に上げます。足の角度は30〜45度が理想的です。

足を高く上げた状態で、15〜20分間リラックスして過ごします。

1日に数回、この方法を繰り返すと効果的です。

かかと上げ運動

安定した椅子に座る、または壁や机などを支えにして立ちます。

握りこぶし一つ分足を開き、左右のかかとをできるだけ高く上げて戻します。

これを10〜20回の繰り返しを、1日3セット行いましょう。

圧迫ソックスの使用

圧迫ソックスは、足に一定の圧力をかけることで血液の流れを助け、むくみを予防・軽減するアイテムです。長時間の立ち仕事や座り仕事をする方に特におすすめです。

朝のうちに圧迫ソックスを履くことで、血流が改善され、足の疲労やむくみの予防に効果的です。

適切なサイズを選び、正しく装着することが重要です。きつすぎるものは逆効果になるので注意しましょう。

圧迫ソックスは、一日中履いていても安全ですが、就寝時には外すことをおすすめします。

足のむくみを緩和する方法

むくみを解消するためには、マッサージが非常に効果的です。これらの方法はリンパの流れを促進し、体内の余分な水分や老廃物を排出するのに役立ちます。

マッサージ

1.足首回し

床や椅子に座り、右足を左足の上に乗せます。

足首をゆっくりと内回し、外回しにそれぞれ10回ずつ回します。

人差し指の第2関節で足首から膝に向かってさすります。

反対の足も同様に行います。

2.ふくらはぎのストレッチ

壁に手をつき、片方の足を後ろに引きます。

後ろに引いた足のかかとを床につけ、ふくらはぎを伸ばします。

20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。

3.股関節のストレッチ

壁に近づいて仰向けに寝転び、足を壁に沿って上に伸ばします。足を天井に向かってまっすぐにします。

足を左右に開き、痛みが出ない程度の位置で止めます。無理に開かず、ゆっくりと行いましょう。

その体勢を保ちながら、ゆっくりと深呼吸を5回行います。股関節をしっかりと伸ばすことを意識してください。

マッサージの注意点

むくみ解消に効果的なマッサージは、正しい方法で行うことが重要です。ここでは、マッサージの注意点について詳しく解説します。

1.力の入れすぎに注意

マッサージを行う際、強すぎる力で圧をかけると、逆に筋肉や血管を傷つけてしまう可能性があります。適度な力で、心地よい圧力を感じる程度に行うことが大切です。

2.適切なタイミング

食後すぐや運動直後は避け、リラックスできる時間に行いましょう。特に入浴後は血行が良くなっているため、マッサージの効果が高まりやすいです。

3.持続的なケア

むくみは一時的なケアだけではなく、継続的なケアが重要です。定期的にマッサージを行うことで、むくみの再発を防ぎやすくなります。

顔のむくみを緩和する方法

【15分で効く】交互に行う温冷法

大きめのボウル2つに、1つには温かいお湯(40〜42度程度)、もう1つには冷水を用意します。

タオルを温かいお湯に浸し、軽く絞ってから顔全体に当てます。この状態を2〜3分間キープします。

次に、タオルを冷水に浸し、軽く絞ってから同じように顔全体に当てます。これも2〜3分間キープします。

これを2〜3回繰り返します。

温かいタオルと冷たいタオルを交互に当てることで、血管が収縮・拡張を繰り返し、血行が促進されます。これにより、顔のむくみが効果的に軽減され、肌も引き締まります。

【10分で効く】ホットタオルで巡りを良くする

15分も時間がとれない方にはこちらもオススメです。

タオルを温かいお湯(40〜42度程度)に浸し、軽く絞ります。

ホットタオルを顔全体に当て、リラックスします。

5分経ったら、タオルを再び温め直し、もう一度顔全体に当てます。

合計で10分間行います。

ホットタオルは、顔の血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果があります。温かいタオルを顔に当てることで、毛穴が開き、老廃物が排出されやすくなります。これにより、顔のむくみが軽減され、肌の調子も整います。

お風呂あがりに行うセルフトリートメント術

お風呂上がりのボディケアのついでに行うセルフトリートメントで、むくみ対策をしましょう。滑りの良いクリームや乳液を使って行うと効果的です。

足先から足首、膝、ももに向かってクリームをなじませます。

足の指の間に手の指を入れ、足首を大きく回します。

足を前後に動かし、土踏まずを手の拳で円を描くようにマッサージします。

足裏の「湧泉(ゆうせん)」をゆっくりと押し上げるように押します。

足首からふくらはぎ、膝裏に向かってやや圧をかけながらマッサージし、「足の三里」や「三陰交」を押します。

まとめ

今回ご紹介した、自宅でできるむくみ緩和法は、簡単に実践できるうえに効果的な方法ばかりです。

むくみの緩和法は継続的に行うことが重要です。日々のケアがむくみの予防と改善に大きな効果をもたらします。また、むくみが長期間続く場合や他の症状が見られる場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。

健康的な生活を送るためには、日常的なセルフケアが欠かせません。むくみを予防し、快適な生活を維持するために、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。これらの方法を取り入れることで、むくみのない快適な毎日を手に入れましょう。