AGAの薄毛治療として使われる内服薬に、「ミノキシジル」があります。発毛効果がとても高く、多くのAGAクリニックで処方もされていますが、どんな副作用があるのか理解していない人も多いです。
この記事では、ミノキシジルの副作用について、そしてどういうメリット・デメリットがあり、どのような人向けの処方薬なのか、といった点も分かりやすく解説しています。
目次
ミノキシジルの内服薬と外用薬は効果も副作用も違う
ミノキシジル内服薬 | ミノキシジル外用薬 | |
---|---|---|
費用の目安 | 6,000~8,000円/月 | 12,000~16,000円/月 |
発毛効果 | とても高い | 高い |
副作用の強さ | 外用薬よりは強い | 内服薬より弱い |
副作用 | 初期脱毛・多毛症 息切れ・動悸 頭痛 めまい 浮腫み 肝機能障害など |
皮膚トラブル(発疹やかゆみ) 初期脱毛 血圧上昇・高血圧など |
ミノキシジルの内服薬は安くて発毛効果は高いですが、その分だけ副作用は強い傾向にあります。逆に外用薬は価格が高く、効果は少しだけ内服薬より弱いですが、副作用が出る確率は低めという特徴があります。
内服薬の副作用・リスクについて
では、ミノキシジルの内服薬にどのような副作用とリスクがあるのか詳しく解説します。
①初期脱毛・多毛症
ミノキシジル内服薬のもっとも多い副作用は、初期脱毛です。初期脱毛とはミノキシジル内服を使い始めてから2~3週間ほどで発症することがあり、ヘアサイクルの関係で抜け毛が増えてしまうことです。
多毛症とは、その名前の通り毛が多く生えてしまう症状のことです。ミノキシジル内服には強い発毛成分がありますが、髪の毛だけでなく全身の毛包に対して効果を発揮してしまうことがあります。
体中が毛むくじゃらになるようなことはありませんが、男性であればヒゲが濃くなったり、腕の毛が濃くなったり、今まで生えてなかった部分に毛が生えたりします。私が見てきた経験だと、下半身には影響が少ないように思います。
②息切れ・動悸
ミノキシジル内服薬によって心拍が上昇することもあり、それが原因で息切れや動悸を起こす可能性があります。それに加えて、心臓疾患や血圧が不安定な人が服用することで心機能障害、不整脈のような症状が出てしまう可能性もあります。
ミノキシジルを服用し始めてから、胸が痛いときがある…という方は、担当の医師に相談してみましょう。
③頭痛・めまい
ミノキシジルには血管拡張作用がありますので、毛細血管の拡張によって頭痛を引き起こす可能性も考えられます。さらに、中枢の血流が悪くなることによって血圧が下がり、めまいなどの随伴症状が発現擦る可能性もあるのです。
④浮腫み
ミノキシジルによって中枢の血液量が減ってしまうため、体内では血液を増やすように動き出します。すると、体内の血液量は逆に過剰となってしまい、それが浮腫みとして手足に出ることがあります。
基本的には時間が経てば改善しますが、もし違和感がある場合は心筋梗塞などの危険性もあるためすぐにAGA治療薬を処方してもらったクリニックで診てもらいましょう。
⑤肝機能障害・心疾患
ミノキシジル内服薬を代謝するのは肝臓です。そのため肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こす可能性もあります。しかし、肝臓は別名「沈黙の臓器」とも呼ばれるほど自覚症状がありません。
そのため、定期的に血液検査をすることをおすすめします。定期的に血液検査の結果を提出しないと、お薬の処方をしてもらえないAGAクリニックもあります。血液検査・健康診断で引っかかったら、すぐに担当のクリニックに相談してください。
大切なのは、身体の異常に早く気が付けるよう血液検査を定期的に行うことです。
ミノキシジル内服薬はAGA治療薬として推奨されていない
以上のように、ミノキシジル内服薬は非常に多くの副作用が発現する可能性があります。発毛効果に関しては期待できるものの、その副作用の多さなどから「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では以下のような評価になっています。
CQ14:ミノキシジルの内服は有用か?
推奨度:D
推薦文:ミノキシジルの内服を行うべきではない.
解説:ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない
引用:日本皮膚科学会ガイドライン
このように、推奨度はDとなっています。推奨度Dというのはこのガイドラインの中で最も低い評価です。医師の判断のもとでミノキシジル内服薬を使用する場合でも、個人輸入などで使用する場合でも医薬品医療機器法の観点から問題視されています。
ミノキシジル内服薬がAGA治療薬として許可している国も実はありません。日本でも未承認です。このように、ミノキシジル内服薬は利益と危険性が検証されていないため、使用する際には注意が必要になるでしょう。
・未成年
・高齢者
・妊活中、妊娠する予定がある
・妊娠、授乳中の女性
・血圧に疾患がある
・循環器系に疾患がある…etc
ミノキシジルの内服薬は血管を広げる作用がありますので、とくに循環器系に疾患がある人は負担が大きくなってしまいます。もし上記に当てはまる人がミノキシジル内服薬を使用する場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。
【併用禁忌】
ミノキシジルの内服薬の場合は、他の薬と併用してはいけないものもあります。
・ED治療薬
・イブプロフェン(風邪薬)
・イミグラン(偏頭痛治療薬)
・アルコールなど
ミノキシジル内服薬には血流を促進する効果があり、アルコールと一緒に摂取することで血管が広くなってしまうため併用が禁止されています。イブプロフェンは風邪薬に含まれている成分ですが、ミノキシジルとは併用禁忌ということが余り知られていないため注意しましょう。
外用薬の副作用・リスクについて
ミノキシジル外用薬を使用することで起こる副作用・リスクとしては、以下のようなものがあります。
- 発疹/かゆみ/赤み/かぶれ
- 初期脱毛
- めまい/頭痛
- 動悸
- 浮腫み/体重増加など
ミノキシジル自体に血管拡張作用がありますので、塗布した部分に赤みやかゆみが出ることがあります。それに加えて、外用薬に含まれている溶剤によってアレルギー反応を起こしたり、発疹や炎症のような副作用が出る可能性も考えられます。
その他にも、発現率は低いものの頭痛やめまいなどの精神神経に対する副作用、心拍が早くなって息切れしやすいなどの循環器に対する副作用などがあります。ミノキシジルの濃度や含有量が高ければ高いほど副作用の発現率が高くなってしまう点は覚えておきましょう。
ただし、それらを含めてもミノキシジル外用薬は、副作用が起きにくい傾向にあります。ミノキシジル外用薬を使用して副作用が出た場合は、使用を中止し、担当の医師に相談してください。
副作用発現率は低め
ミノキシジルが5%含まれている「リアップX5」を用いた調査では、以下のような結果が出ています。
特別調査において報告された副作用の発現症例は3,072例中271例(8.82%)、378件であった。
引用:厚生労働省
さらに、日本皮膚科学会の実験結果でも以下のような結果が出ています。
瘙痒,接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率は 5%ミノキシジル群で6%と,2%ミノキシジル群(2%),プラセボ群(3%)より高かった
引用:日本皮膚科学会
どちらの調査・研究においても副作用の発現率は10%を超えていません。それに加えて、最初の調査で入院が必要になるほどの重篤な副作用が出たのは1名のみでした。
このように、ミノキシジル外用薬の副作用発現率は低めであり、ほとんどが頭皮のかゆみといった軽度なものであることが分かります。
・過去にミノキシジルでアレルギー反応が出てしまった人
・未成年者(20歳未満)
・妊娠中、授乳中の女性
・急激に脱毛が始まった人
・円形脱毛症や斑状に抜けている人
・心臓や腎臓に疾患がある人
など
よく「女性はミノキシジル外用薬を使ってはいけない」と言われますが、これは少し語弊があります。確かに男性用のミノキシジル外用薬を女性が使うのはダメですが、濃度1%のような女性用ミノキシジル外用薬であれば使用することができます。
ちなみに、ミノキシジル外用薬に併用禁忌のような薬はありません。
ミノキシジルの外用薬は、推奨Aランク
ミノキシジル内服薬と外用薬の副作用やリスクについて解説してきましたが、AGA治療においてミノキシジル外用薬は有効です。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」において、このような評価を得ています。
CQ3:ミノキシジル外用は有用か?
推奨度:A
推奨文:ミノキシジル外用を行うよう強く勧める(男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1%ミノキシジル)
引用:日本皮膚科学会ガイドライン
発毛効果にも期待できますし、副作用の発現率は低めという結果からミノキシジル外用薬をAGA治療薬として使用するのは推奨されているのです。
ミノキシジル外用薬は市販のものも購入することもできますが、より発毛を目指したい方はAGA治療専門のクリニックで処方されるものをおすすめします。
こんな人には外用薬がおすすめ
以下のような人は、ミノキシジル外用薬による治療がおすすめです。
- 飲酒の機会が多めの方
- 発毛効果に期待したい方
- 副作用をできる限り抑えたい方
- 肝機能の健康状態に不安がある方
- 予算に余裕がある方
ミノキシジル自体に発毛効果が期待できるため、今ある髪の毛の維持ではなく発毛を目的としている人におすすめです。副作用も比較的少なく、肝機能や健康状態が不安でミノキシジル内服薬が使えない人にもおすすめと言えるでしょう。
健康に不安がある方は、主治医にも相談するようにしてください。
このようにミノキシジル外用薬は発毛効果にも期待できる上、副作用の発現率も低めなのでおすすめの治療薬なのですが、費用は他の内服薬・外用薬と比較して高めです。
フィナステリドといった抜け毛を防ぐための内服薬と併用する場合は月々20,000円ほどの費用が必要になりますが、予算に余裕があり、より発毛を目指したい方におすすめです。
結局、AGA治療には何が一番いいの?
人によって予算も違えば年齢も、AGAの進行具合も、健康状態も違いますから、どのAGA治療がいいのかは医師と相談しながら決めるのがベストです。
ただ、相談する前にある程度自分に合ったものを知っておきたいという人のために、AGA治療でよく使われるお薬の特徴や組み合わせをご紹介していきます。
薄毛予防の治療薬
まずは、今ある髪の毛の維持を目的としたお薬の一覧がこちらです。
治療薬 | 費用相場 | 効果 |
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プロペシア(フィナステリド) | 約4,400円 | 5αリダクターゼⅠ型の働きを阻害する |
サガーロ(デュタステリド) | 約7,900円 | 5αリダクターゼⅠ型およびⅡ型の働きを阻害する |
プロペシアとは、フィナステリド成分が含まれているAGA治療薬のことです。費用も比較的安くて続けやすく、5αリダクターゼⅠ型の働きを阻害することで薄毛予防の効果にも期待できます。プロペシアにはジェネリックも存在しており、提供しているクリニックは限られるものの安全性などは変わらず安く購入することができます。
一方のサガーロ(デュタステリド)は、プロペシアよりも効果に期待できる治療薬です。しかし、プロペシアよりも副作用のリスクが高い治療薬にあたります。そのため、初めてのAGA治療なのであればプロペシアを優先的に考えてみましょう。
発毛目的の治療薬
続いて、発毛目的で処方されるAGA治療薬についてです。
治療薬 | 費用 | 効果 |
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ミノキシジル内服薬 | 約6,900円 | 毛母細胞の活性化 血行の促進 |
ミノキシジル外用薬 | 約13,000円 | 毛母細胞の活性化 血行の促進 |
ロゲイン | 5,000円~7,000円 | 血行の促進 |
まずロゲインというのは、ミノキシジルを主成分として作られているAGA治療薬のことです。ドラッグストアなどにも置いてある「リアップ」などに含まれている成分で、血行の促進効果に期待することができます。費用も外用薬としては安めなのですが、ミノキシジル外用薬と比較するとやはり効果に差があると言えるでしょう。
ミノキシジル内服薬は、発毛効果に期待できる治療薬です。しかし、肝臓や心臓への負担や副作用のリスクが高くなるため、他の治療薬を使っても薄毛が改善されなかった場合に、検討することをおすすめします。
ミノキシジル外用薬は、皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度Aという評価を得ている治療薬です。内服薬ほどの効果はありませんが、発毛の効果と副作用の軽減に期待できます。
初めてのAGA治療であれば、ミノキシジル外用薬は欠かせない存在になっていると言っても過言ではありません。
ミノキシジル外用薬の治療があるおすすめクリニック
ここからは、ミノキシジル外用薬を提供しているおすすめクリニックを2院紹介します。全国どこにいてもオンラインで診察してもらえて、お薬も郵送で送ってもらえるため、ミノキシジル外用薬の使用を考えている人は、参考にしてみてください。
AGAスキンクリニック
治療メニュー | 内服薬、外用薬、メソセラピー、植毛 |
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料金(1ヵ月あたり) | 【オリジナル内服薬】 フィナステリド:7,700円 ミノキシジル:7,700円 【オリジナル外用薬】 ミノキシジル:15,400円 |
血液検査 | 無料 |
オンライン診療 | なし |
営業時間 | 10:00~14:30 15:30~22:00(要予約) |
店舗 | 全国61院 |
- 血液検査が無料でできる
- 発毛実感率は脅威の99.4%
- 女性でも安心して治療を受けることができる
- オリジナル治療薬(Rebirth)を提供している
- 薄毛の人向けのプランが月々15,400円
- 全国に61院あるため、来院したい人にも向いている
AGAスキンクリニックの発毛実感率は99.4%と公表されており、オリジナル発毛薬である「Rebirth」は配合されている成分のバランスが良く、USP基準最高ランクを獲得しているものばかりのため評価も高いです。
このクリニックがおすすめな理由は、ミノキシジル外用薬の取扱いがあるだけでなく、血液検査も無料で行ってもらえるというメリットがあるからです。
他のクリニックだと血液検査が有料であったり、または最寄りの医院で血液検査をしてそのデータを送る必要があるとか、煩わしいものもあります。副作用に不安がある方でも、無料で血液検査ができるのは嬉しいポイントの一つでしょう。
AGAスキンクリニックはプライバシー保護にも力を入れており、カウンセリングから会計まですべて個室で行われます。クリニックによっては男性専用と女性専用で分かれていますので、余程タイミングが合わない限り第三者に会うことも見られることもありません。
「予防プラン」と「発毛プラン」に分かれており、それぞれ頭皮環境や髪質などを確認しながら最も適したプランを提供してくれます。初診料から再診料などもすべて無料となっていますので、初めてAGA治療を始める人でも通いやすくなっています。
AGAヘアクリニック
治療メニュー | 内服薬、外用薬 |
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料金(1ヵ月あたり) | フィナステリド:3,600円 ミノキシジル:10,000円 外用薬:13,000円 |
血液検査 | 3,000円(来院) 5,000円(検査キット) |
オンライン診療 | 対応 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
店舗 | 本院:東京都千代田区外神田3-12-8 住友不動産秋葉原ビル9階 大宮院:埼玉県さいたま市大宮区宮町1-67 大宮あづまビル5階 |
- オンライン診療で通院しなくても治療できる
- デリケートな悩みを気軽に相談できるプライベート空間
- 毛髪診断士によるカウンセリングを受けられる
- 月1,800円から始められ、全額返金保証制度もある
- 副作用に対してのアフターケアが充実している
AGAヘアクリニックのAGA治療は予防目的だと初月1,800円から。毛を増やしていきたい人向けのプランだと10,800円から始めることができます。診察料・カウンセリング料は一切発生せず、その人に合った適切なプランのみを提供してくれます。
オンライン診療を利用した場合は、ミノキシジル外用薬が13,000円から12,000円に割引されるためお得です。地方にお住まいの方や仕事が多忙な方は、積極的にオンライン診療を活用してみてください。
AGAヘアクリニックでは個室による対応を行っており、相談から診察、支払いまですべてその場で終わらせることができます。第三者と会うことはほとんどないため、プライバシーの配慮もばっちりです。
ミノキシジルは副作用があるということで不安に感じている人も多いと思いますが、AGAヘアクリニックでは徹底したアフターケアを行っています。来院時の血圧測定、経過観察、頭皮トラブルチェックだけでなく、何か副作用が発生した場合にはすぐに医師が対応してくれます。
ミノキシジル外用薬の使い方
クリニックによって成分・容量に違いがあるため、使用方法が異なる場合があります。今回は、私が実際に通っているAGAスキンクリニックのミノキシジル外用薬について、使い方や注意点を解説していきます。
使用するタイミングについて
使用するタイミングは、お風呂に入って髪を乾かした後、1回は必ず行います。
できれば朝にも1回(1日2回)使った方が早い発毛効果に期待できますが、私の経験では朝にミノキシジル外用薬を使うと、乾いても髪の毛にベタつき感が出ることがあります。ただでさえハゲを隠したいのに、ベタついていると余計にハゲが目立つのが嫌でした。
一度試してみてベタつきが気になる場合は、ミノキシジルを塗って30分ほどしたらシャワーで洗い流して下さい。本当はそのままにしておくのがベストですが、30分ほどでも頭皮からミノキシジルが吸収されているため、洗い流しても問題はありません。
また、塗ったあとに頭皮を優しくマッサージするようにすると、効率的です。
使用する部位や量について
使用するのは、薄毛が気になる部位に対してだけで問題ありません。
人によってどれくらいの量を消費するか異なりますが、私の場合は1回7プッシュくらいで、クリニックから処方された1本が3ヵ月で無くなりました。あまり多い量は使っていなかったため、想定よりもコスパは良かったです。
おでこに滴るくらいの量を塗るのは、副作用が強く出てしまう可能性もあるため、控えてください。ミノキシジルは、1回あたり1mlが基本となります。スポイト式であれば1mlの目盛りがありますし、プッシュ式であれば10~15プッシュを目安にしてください。
多く塗っても効果が増える訳ではなく、逆に副作用の発現率を高めてしまう要因になりかねないため、クリニックから指導された用法・容量を守りましょう。
ミノキシジルに関してよくある質問
最後に、ミノキシジル内服薬・外用薬でよくある質問をQ&Aという形で解説していきます。
途中でやめると薄毛に戻る?
ミノキシジルでの治療を途中でやめた場合、またゆっくりと薄毛(元通り)になります。AGAは根本的な治療が難しいことに加えて、ミノキシジルはAGAを治す薬ではなく、あくまで一時的に薄毛を改善する薬なのです。
やめる理由にもよりますが、十分に毛が生えてきた状態であれば、ミノキシジルを中断して抜け毛を防ぐ効果のあるフィナステリドだけにするなどの方法もありますが、自己判断で決めるのではなく、必ず医師と相談して決めるようにしてください。
逆にいつやめるべきなの?
ミノキシジルを使ったAGA治療は原則続けることが前提の治療ですが、それでもさまざまな理由でやめたいと考えてしまうことがあるでしょう。その場合、どのタイミングでやめるべきなのか簡単に解説していきます。
①効果が感じられないとき(目安は12ヶ月以上)
最も分かりやすいのが、12ヶ月以上ミノキシジルを使っているのに薄毛が改善されたと実感できないときです。これは自分の感覚だけでなく、通院して発毛経過を確認した上で「改善されていない・通常より進行が遅い」と判断される場合もあります。
この場合、ミノキシジルの服用量を見直したり、外用薬を内服薬に変更するなどさまざまな方法で治療を継続していくことも可能です。しかし、薬の量を増やせば副作用などのリスクも増えてしまいますし、予算的に厳しくなることもあります。
AGA治療の効果については、「AGA治療の効果はいつ頃から出て、いつまで続く?」のページにて詳しく解説しています。
②目標にしていた量になったとき
上記の理由とは逆に、目標としていた量の髪が生えた、満足いく発毛になったというタイミングでやめるのも一つの手です。ただし、上記でも書いた通りAGA治療は継続していくことが望ましいとされています。そのため、一度ミノキシジルをやめて再び薄毛が気になり始めたら再治療することも可能です。
③肝臓や頭皮に以上が出た場合
ミノキシジルの代謝は肝臓で行われています。そのため、ミノキシジルを使った治療を進める場合は血液検査で肝機能を計測することが重要です。その血液検査で異常が出た場合、さまざまな症状が現れることがあるため内服薬を外用薬に切り替えるなどの処置が必要になります。
逆にミノキシジル外用薬を使っていた場合、頭皮に炎症などの異常が出てしまうことがあります。そうなった場合は、医師に相談した上で違う治療法を検討してみると良いでしょう。自分で判断するのは危険なので絶対にやめましょう。
④妊活を始めた
もし女性がミノキシジルを使用している場合、妊活を始めるのであれば服用を中断しましょう。ミノキシジルは血流を促進させてしまいますので、胎児や乳児の心臓に対して大きな負荷になってしまう危険性があります。
男性は差しさわりありませんが、心配な場合は担当の医師に相談するようにしましょう。
⑤予算的に厳しくなった
ミノキシジルを使ったAGA治療は保険適用外です。そのため、内服薬だけであれば月1万円以内に抑えることもできますが、外用薬にもなると1万円を超えることになります。併用するのであれば、月2万円になることも珍しくありません。
AGA治療は継続が大事ですが、予算がギリギリなのに無理して続ける必要もありません。それで生活習慣などが乱れてしまっては逆効果です。予算的に厳しくなった場合、ミノキシジルを中断して髪の毛の維持を目的とした治療に切り替えるなどの方法を考えましょう。
使い始めてすぐに抜け毛が増えたのはなに?
それは初期脱毛と呼ばれる症状です。
初期脱毛とはミノキシジルを使い始めた際に多くの人で発症し、薬を使い始める前よりも抜け毛が増えてしまう副作用のことです。おおよそ1ヵ月で収まることが多いですが、1ヵ月以上経過しても収まらない場合は、クリニックに相談してみましょう。
初期脱毛は副作用の扱いにはなっていますが、実際はAGAで休止期になっていた毛包が成長期に移行したことで、古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出されているのです。
この初期脱毛を見て怖くなり治療を断念してしまう人もいますが、ヘアサイクルが整い始めている可能性があるため、治療を継続するのがおすすめです。
市販のミノキシジル外用薬はクリニックのものと何が違う?
濃度が違います。
ミノキシジル外用薬は、ドラッグストアで売っている市販のものと、クリニックから処方されるものと2種類あります。料金や種類など違いはありますが、最も大きな違いは配合されているミノキシジルの濃度です。
第一類医薬品に分類されている商品が多いですが、市販で購入できる外用薬の濃度は5%未満です。効果がないということはありませんが、より発毛を目指したい方はAGAクリニックへ行かれることをおすすめします。
クリニックであれば濃度5%以上でも処方可能
医療行為が認められているクリニックであれば、濃度5%以上のミノキシジル外用薬を処方することができます。それに加えて、クリニックではその人に合った治療薬をブレンドできるというメリットもあります。
ミノキシジル外用薬だけでも数パターン提供しているクリニックもありますし、本格的にAGA治療をするのであれば市販ではなくクリニックで処方してもらうことをおすすめします。
海外通販サイトのミノキシジル内服薬は安全?
危険なので推奨しません。
厚生労働省でも個人輸入に対して警告を出しているほどです。(参考:厚生労働省)
また、海外の通販サイトでなくても、個人で購入することは推奨されていません。
①偽物であるリスク
購入して送られてきたミノキシジル内服薬が本物という保証はありません。実際に、海外製のAGA治療薬というのは偽物を含まれていることも多く、個人輸入してトラブルになることも多いです。ミノキシジルの成分が含まれていないだけであればまだ良いですが、まったく関係ない成分が含まれていることもあります。
②健康被害が生じるリスク
上記のように偽物であった場合でも健康被害が生じる可能性もありますが、仮にミノキシジルがしっかり配合されていたとしても健康被害が生じる可能性もあります。なぜなら、そのミノキシジルの内服薬をどの工場が生産したのか、安全性の試験をクリアしたのか、他に含まれている成分が何なのかなど、分からないことが多いからです。
含まれている成分の中には日本国内では認可されていないものがあるかもしれませんし、最悪の場合、発がん物質などが含まれている可能性もあります。このように、海外製のミノキシジル内服薬には健康被害が生じるリスクがいくつもあるのです。
③健康被害に対しての保証がない
日本では、薬を使用したことで健康被害が出た場合、「医薬品副作用被害救済制度」と呼ばれる制度を利用することができます。しかし、これは日本国内で認可されている薬のみ適用される制度であり、個人輸入した薬全般適用外となってしまいます。もし海外製のミノキシジル内服薬を服用して健康被害が生じたとしても、すべて自己責任なのです。
さらに、仮に病院で検査してもらったとしてもすぐに治療できないケースもあります。なぜなら、日本国内で認可されていない薬を使っているからです。どの成分が原因で健康被害が生じたのか、それを解決するために必要な処置は何なのかなど、さまざまなことを調べなくてはいけません。
④用法・用量を間違えるリスク
海外のミノキシジル内服薬ということで、基本的には説明文など含めすべて外国語による記載です。その言語を使えるのであれば大きな問題ではありませんが、まったく分からない場合は用法・用量を間違えてしまう危険性があります。
男性と女性というだけでも用法・用量はまったく違いますし、ミノキシジル内服薬が禁忌の人もいます。健康被害が生じただけでも問題ですが、禁忌の人が服用してしまうと命の危険まであるのです。こういった点も個人輸入がおすすめできない理由の一つです。
飲み忘れたけど次の日に2日分飲んで大丈夫?
クリニックから指示された1日あたりの摂取量を超してはいけません。
いつも飲んでいる時間まで12時間を切っていたら、その日はもう飲まなくてもいいでしょう。
前の日に飲み忘れて効果が弱くなったらどうしよう…と考えてしまうと思いますが、1日飲み忘れたとしても効果が極端に弱まることはありませんし、2日分飲んだとしても効果が強まることもありません。むしろ過剰摂取は副作用のリスクを上げてしまうだけです。
飲み忘れしないようにするには、できるだけ毎日同じタイミングで飲むように意識することが重要です。食後・食前のような縛りはありません。自分が飲みやすい、飲み忘れない時間帯に服用しましょう。
まとめ
今回の記事をまとめると以下のようになります。
- 発毛効果は期待できるが副作用が起きやすいのがミノキシジル内服薬
- 発毛効果は緩やかだが副作用が少ないのがミノキシジル外用薬
- AGA治療として日本皮膚科学会に推奨されているのは外用薬
- どちらを使用するにしても個人輸入ではなく医師の判断を仰ぐのが確実
ミノキシジルは内服薬も外用薬も発毛に期待できる治療薬です。しかし、内服薬は副作用も強めでガイドラインにおける推奨度もDと非常に低くなっています。
反面、外用薬は推奨度Aと非常に高くなっていますので、もしAGA治療を進めるならおすすめは外用薬の方です。ただ、内服薬にしろ外用薬にしろ使用する際には医師の判断を仰ぐことが重要です。
とくに内服薬は個人輸入せずにクリニックから処方されたもののみ服用するようにしましょう。