インビザライン矯正の費用目安や治療期間、歯科クリニックの選び方

インビザライン矯正の費用目安や治療期間、歯科クリニックの選び方 歯の悩み

全国各地の歯科クリニックに取り入れられているインビザラインですが、実際にどれくらいの費用がかかるのか、歯列矯正を考えているけどどうやって歯科クリニックを選ぶべきか悩んでいる人向けに、分かりやすく記事を書いています。

インビザラインはメリットにばかり目がいきがちですが、デメリットもちゃんと把握した上で契約をする方が後悔することも少ないかと思います。歯列矯正を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正の費用目安

全体矯正 部分矯正
費用目安 70万円~100万円 30万円~60万円
治療範囲 奥歯まで含めた全歯 前歯が中心
治療期間 2年~2年半 6ヶ月~1年

インビザラインは、奥歯まで含めたすべての歯を矯正できる全体矯正と、前歯を中心に矯正を進めていく部分矯正の2種類があります。費用は歯の状態や治療が終わるまでの期間によって変わりますが、全体矯正であれば70万円~100万円、部分矯正はその半分くらいが相場です。

治療期間は全体矯正が2年~2年半までと長期になっています。治療の進行具合や保定期間によってはそれ以上になることもありますので、途中で後悔する人も少なからず存在しています。部分矯正であれば半分か半分以下で治療を終えることも可能です。

歯科クリニックによって費用が異なります

費用に関しては、依頼する歯科クリニックによって大きく異なります。例えば、一般歯科と矯正専門クリニックというだけでも料金は異なりますし、在籍しているドクターの経験や技術力によっても異なってくるでしょう。もちろん元の歯並びによっても異なります。

費用が高くなりやすいケース

  • 在籍しているドクターが指導医以上の資格を取得している
  • インビザドクターの資格を取得している
  • 導入している機器が最近のもの

このような場合、比較的高くなりやすいとされています。しかし、インビザラインは特殊な知識と技術が必要になりますので、できるだけ認定医以上の資格かインビザドクターの資格を持つ医師が在籍しているクリニックを選ぶことをおすすめします。(※詳しくは後述)

インビザラインのメリット・デメリット

インビザラインのマウスピース画像
インビザラインのメリットは歯科医院でも説明を受けますが、あまりマイナス面を話してくれる歯科医師はいないのではないでしょうか。

デメリットの面もしっかりと把握して、それでもインビザラインで矯正を始めたいかどうか検討するようにしてください。

デメリット

まずは、インビザラインのデメリットについてです。

  • 医師の技術力によって左右されやすい
  • 治療料金が高くなりやすい
  • マウスピースの着用を徹底しなくてはいけない
  • 場合によっては使えないこともある

インビザラインの治療経過や結果は、担当する歯科医師の技術力に左右されやすいと言われています。詳しくは後述しますが、もしインビザラインで歯列矯正を進めていくのであれば「インビザドクター」と呼ばれる資格を持っている医師に相談する必要があるでしょう。

インビザラインで効果的に矯正していくためには、1日に20時間以上の装着を徹底する必要があります。基本的には食事や歯磨き時にしか外せないと思っておくと良いでしょう。人によってはストレスに感じてしまうこともあります。装着時間が短いと、矯正期間も延びてしまうのです。

そして、インビザラインはすべての人が利用できるわけではありません。歯並びが余りに酷かったり、骨格の問題でインビザラインが使えないことがあります。極度な出っ歯や受け口、抜歯を伴う矯正などは基本的にインビザラインを使うことは難しいです。

もし歯周病になっていたり、インプラントを利用している場合もインビザラインは使えません。歯周病だと途中で歯が抜けてしまうリスクがあるため先に治療する必要があり、インプラントは人工歯根であるためインビザラインで動かすことができないからです。先に歯列矯正を完了してからインプラント治療をする必要があります。

メリット

続いて、インビザラインのメリットについても見ていきましょう。基本的にはメリットの方が大きい矯正装置となっています。

  • 透明なため歯列矯正していることがバレにくい
  • 安全性が高く世界的にも認められている
  • 実際にどのように歯が動いていくかをシミュレーションできる
  • 金属アレルギーの人でも安心して使える
  • 着脱式で行動に制限がほとんどない

インビザラインで分かりやすいメリットは、透明な素材で作られているため、目立ちにくいという点です。ワイヤー矯正も歯の裏で固定する方法もありますが、それでもインビザラインの方が目立ちにくいと言えるでしょう。ワイヤー丸出しは、誰だって抵抗があるものです。

インビザラインは世界的に認められている歯列矯正装置で、世界一の症例実績もあります。世界100ヵ国以上、800万人以上がこれまでにインビザライン治療を受けており、アメリカ食品医薬局(FDA)の認証も受けています。

治療開始前の精密検査にて分かった情報を入力することで、3Dシミュレーションモデルを作成できるのもインビザラインのメリットです。今の自分の歯並びがどうなっているのか、インビザラインを使って矯正を始めたらどのような過程で歯が動いていくのかを確認することができます。

インビザラインはプラスチック製のため、金属アレルギーの人でも安心して使うことが可能です。付け外しも自由ですので、食事などもとくに避けるべき食べ物もありません。カレーなどの色が付きやすいものでも、ガムのような粘着性の強いものでも食べることができます。

インビザラインと他のマウスピース矯正の違い

ここからは、インビザラインと他のマウスピース矯正にどのような違いがあるのか詳しく解説していきます。今回は、インビザライン、キレイライン、従来のマウスピースの3つで比較していきましょう。

インビザライン キレイライン 従来のマウスピース
開始年齢 小学校低学年 男性16歳、女性14歳 永久歯列が揃ってから
治療範囲 前歯矯正・全体矯正 前歯矯正のみ 装置によって異なる
適応症例 重度の出っ歯、すきっ歯、受け口、八重歯、不正咬合など 出っ歯、すきっ歯、八重歯など 装置によって異なる
歯の型取り 状況に応じてスキャンで型取り 複数回のスキャンが必要 2週間~1ヶ月に1回のペースで型取り(印象材)
後戻り 可能性は低い 可能性がある 可能性は低い
痛み 少ない 少ない 少ない
通院回数 1ヶ月~3ヶ月に1回 1ヶ月半に2回 2週間~1ヶ月に1回
治療料金の目安 30万円~100万円 10万円~30万円 治療が終わるまで分からない

開始年齢

まず大前提として、インビザラインと従来のマウスピースは使える年齢が異なります。従来のマウスピースは永久歯がすべて生えそろってからとなっており、キレイラインでは男性16歳/女性14歳になってからとなっています。

インビザラインには年齢別でさまざまなタイプを用意しているのも特徴です。最も早い年齢から使用できる「インビザラインファースト」であれば、小学校低学年から使い始めることができます。適応範囲内であれば、歯科矯正における1期治療を行えるのはインビザラインならではの強みと言えるでしょう。

治療範囲・適応症例

インビザラインは、前歯だけの部分矯正だけでなく奥歯を含む全体矯正も可能です。キレイラインは前歯のみの治療と範囲が狭く、従来のマウスピースは装置によって異なります。このように、インビザライン一つで治療範囲が非常に広いことが分かります。その分、適応症例の数も豊富ですね。

歯型取り

従来のマウスピースの場合、基本的には毎月のように新しいマウスピースに交換する必要があります。その度に型取りしますので、正直面倒だと感じる人も多いです。一方で、インビザラインは最初の型取りを終えればそのまま使い続けることができます。最近ではどのマウスピースでも透明な素材が使われていますので、見た目的な差はそこまでありません。

治療料金

インビザラインのデメリットとも言えるのが、治療料金が他のマウスピースと比べて高いという点でしょう。キレイラインは部分矯正しかできませんが、それでも100,000円~300,000円程度とインビザラインの半額程度で終わらせることができます。

従来のマウスピースの場合は、治療期間やマウスピースの取り替え回数によって料金が大きく前後するのが特徴です。そのため、実際の治療料金は矯正が終わらないと分かりませんが、それでもインビザラインよりは安くなることが多いです。

インビザラインは高いのがデメリットですが、マウスピースを追加で発注しない限り治療料金が一定であることはメリットと言えるでしょう。支払方法も現金一括払いだけでなく、クレジットカード払いやデンタルローンなどの分割払いもあるため、支払い自体はしやすいです。

後戻りの可能性

歯列矯正は、どの装置を使ったとしても後戻りする可能性があります。インビザライン、従来のマウスピースは後戻りする可能性が低いと言われていますが、医師の指示に従って保定装置を使っていく必要があります。部分矯正のキレイラインは、この2つと比較すると後戻りするリスクが少し高いとされているため、しっかりとアフターケアをしていきましょう。

治療中の痛み

基本的には、どのマウスピース矯正を使ったとしても違和感や痛みが生じる可能性があります。痛みに関しては一般的に装着後、3~5日ほどで和らいでくることが多いです。

自分の目的でどの装置を使うか決めよう

インビザラインは治療料金は高いものの、マウスピース矯正での実績の多さはズバ抜けていますし、全体矯正ができる、マウスピースの型取りが1回で終わるなどのメリットもあります。

予算に余裕があって全体矯正を効率良く進めていきたいならインビザライン、リーズナブルに部分矯正を進めていきたいならキレイラインのように、自分の目的に合った矯正装置を選んでいくと良いでしょう。

矯正装置や、おすすめ歯科クリニックに関しては「マウスピース矯正11社の料金を徹底比較!各社の特徴やワイヤー矯正との違い」にて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

失敗しない歯科クリニックの選び方

マウスピース矯正をするにあたり、失敗しない歯科クリニックの選び方を解説していきます。

できれば矯正専門の歯科医院がおすすめ

現在、歯列矯正ができる施設は(一般歯科・矯正専門の歯科クリニック・大学病院)の3つが挙げられますが、もっともおすすめなのは矯正を専門としている歯科クリニックです。

①一般歯科
一般歯科でも歯列矯正を行っています。一般歯科でのメリットは、虫歯や歯周病などを治療しながら矯正を進めていけるという点です。口内ケアと同時に行えるということは、それだけ治療期間を短縮することができます。

一方で、歯列矯正に関しての症例数が少なく、歯列矯正に関して経験が浅いドクターしかいない可能性もあります。中には矯正担当のドクターが非常勤で在籍していることもありますが、予約が取りにくかったり矯正器具の取り扱いが少ないなどのデメリットも多いです。

②矯正専門クリニック
口腔内治療を行っていない歯科医院も多く、虫歯治療は一般歯科に通ってもらうという手間もありますが、歯列矯正に関しては経験豊富で症例実績も多いドクターが在籍しているだけでなく、取り扱っている矯正器具も豊富なことが多いです。

③大学病院
大学病院でも歯列矯正を行うこともできますが、教育機関という側面もあるため研修中のドクターが担当することが多いです。設備は充実しており、先生のフォローもあるため失敗することは少ないですが、安全性や確実性を求めるならおすすめできません。

在籍しているドクターの資格をチェックする

そのクリニックに在籍しているドクターの経験や資格について確認してみましょう。重要なのは、以下の3種類です。

①認定医
認定医とは、歯列矯正治療に関して学識と経験を積んだ上で「日本矯正歯科学会」の審査に合格した歯科医師のみが保有できる資格のことです。取得するための条件はさまざまありますが、研修期間や大学病院などでの研修、5年以上矯正治療を行う、学会での論文発表などが必要になります。

②指導医
指導医は認定医以上に厳しい審査をクリアした人のみが名乗れる資格のことです。

③臨床指導医
最も取得難易度が高く、知識や技術力において最も評価されている資格のことです。

認定医・指導医・臨床指導医の取得人数

認定医 指導医 臨床指導医
取得人数 2772人 505人 375人
出典:日本矯正歯科学会
2023年4月6日の時点では、全国に2772人が認定医の資格を取得しています。指導医、臨床指導医は1000人にも満たないため地域によっては探すのは難しいです。そのため、最低でも認定医の資格を持っている歯科医師が在籍しているクリニックを選ぶと良いでしょう。

インビザラインを利用するならインビザドクターにも注目

上記のように、認定医や指導医などの資格も重要ですが、もしインビザラインを使って矯正していきたい人は「インビザドクター」についても重要視してみると良いでしょう。インビザドクターとは、インビザライン治療を50症例以上の実績を持つ医師のみが認定される資格です。

インビザラインは3Dテクノロジーという最新技術が使われているため歯科医師の腕はあまり関係ないと思われがちですが、逆にインビザラインの方が特殊な知識・技術が必要なのです。そのため、経験を含めて重要とされています。

・インビザスーパードクター
インビザライン治療が50症例以上を誇っているドクターが「インビザスーパードクター」として認定されています。もしインビザラインを用いるのであれば、最低でもインビザスーパードクターとして認定されている医師が在籍しているクリニックがおすすめです。

・インビザゴールドドクター・インビザプラチナドクター
インビザライン治療が100症例以上であれば「インビザゴールドドクター」、500症例以上であれば「インビザプラチナドクター」として認定されます。インビザプラチナドクターにでもなれば、インビザラインのスペシャリストとして豊富な知識を用いて治療に携わってくれます。

インビザドクターは「https://invisa-doctor.jp/doctor」にて検索することができますので、ぜひ活用してみてください。

予約が取りやすく通いやすい

歯列矯正は、矯正器具を付けたら終わりではありません。治療方針によっても異なりますが、月に1回前後は通院すると思っておいた方が良いです。歯列矯正をスムーズに進めていても、平均して2年間は定期的に通院する必要があります。

また、装置が破損してしまったり原因不明の痛みが生じるなど予期せぬトラブルが生じた場合にすぐに診察してもらわないといけない場面もあります。そのため、できるだけ家から近い、仕事場から近いクリニックを選ぶことをおすすめします。

治療料金や治療期間を提示してくれる

インビザラインは決して安い治療ではありません。しっかりとした歯並びになるには時間もかかりますし、そういった点を丁寧に説明して具体的な数字を出してくれるクリニックが理想です。とくに治療料金はトラブルの元になりやすいので、追加料金の有無なども確認しておく必要があります。

契約が完了した時点で基本料金は支払いますが、そこに含まれている内訳をしっかりと説明してくれるのは当然のこと、こちらでも確認することが重要です。もし追加料金が発生するのであれば、事前に「〇〇の時期に〇〇円の追加料金が発生する」と教えてくれるクリニックが良いです。

追加料金に含まれやすいもの

  • 通院した際のメンテナンス料金
  • 保定装置(リテーナー)の料金
  • 虫歯や歯周病になった際の治療費
  • 矯正装置を壊した、紛失した際の料金など

クリニックの雰囲気やスタッフの対応

歯列矯正は自分一人の力で進めていくわけではありません。担当医師やスタッフとの信頼関係も非常に重要な要素です。歯列矯正は平均して2年近くかかる治療となっています。料金も決して安くありませんし、せっかく通っているのに雰囲気が悪かったりスタッフの対応が悪いとモチベーションも続きません。

そのため、まずはSNSや掲示板のような口コミサイトで気になるクリニックの評判を確認してみましょう。すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、全体的に雰囲気が良くてスタッフの対応が良いという評価があれば、まずは無料カウンセリングを受けてみると良いです。

もしカウンセリングを受ける場合は、分からない部分や気になる部分はすべて質問してみましょう。一つ一つ丁寧に説明してくれるのであれば、安心して治療に進むことができます。この時点で適当な対応をされた場合、何かトラブルがあっても対応を渋る可能性があるため注意しましょう。

チェックすべきポイント

  • クリニック全体の雰囲気
  • カウンセリング時の対応や質疑応答の内容
  • 純粋に自分と相性が良さそうか(人柄など)
  • モチベーションを維持して通い続けられそうか

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • インビザラインは目立ちにくいマウスピース型の矯正装置
  • 高額だが痛みが少なく矯正効果に期待できる
  • 部分矯正、全体矯正を選ぶことができる
  • インビザドクターの資格取得者が在籍しているクリニックがおすすめ

インビザラインは世界一症例実績が多く、これまでに800万人以上の人が利用してきた安全性の高い矯正装置です。高額ですが、透明で目立ちにくく矯正効果に期待できるため予算に余裕がある人や、デンタルローンなどの分割払いができる人は積極的に検討してみると良いでしょう。

効率良く治療を進めていくために、インビザドクターの資格取得者が在籍しているクリニックを探すことも忘れずに!

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