心房細動 放っておくと脳梗塞の危険があります

心房細動について

どんな病気?

心臓には上と下、2種類の部屋があります。上の部屋を「心房」といいます。そして「細動」とは、プルプルと震えるという意味です。この二つを合わせて、心房細動という病気の名前がついています。

脈が速くなるタイプの不整脈

不整脈には3つのタイプがあって、脈が飛ぶタイプ、速くなるタイプ、遅くなるタイプです(詳しくは不整脈をご覧ください)。
心房細動は、この中の脈が速くなるタイプの不整脈です。

どんな症状が出るの?

脈が速くなるタイプの不整脈なので、症状としては動悸、心臓が割れるような感じなどが主です。ただ、長い間心房細動を患っていたり、糖尿病などを併発していると症状を感じにくいこともあるので要注意です。そんな時には、心電図でしか発見できないので、定期的に健康診断などで心電図をとるようにしましょう。

実はとても怖い心房細動

心房細動自体で死んだりすることはありません。確かに、胸が割れるような激烈な動悸を伴うことがありますが、症状がひどいだけで命に係わることはほとんどないのです。
ただ、侮れないのがその合併症です。心房細動を無治療で放っておくと、脳梗塞を発症しやすくなります。つまり、認知症や寝たきりになりやすくなるのです。

どうして、脳梗塞になるの?

細動とはプルプル震えるという意味でした。さて、心房がプルプル震えるとどうなるでしょうか?心房の中で血液が流れにくくなるのです。そもそも、心房がしっかりと規則正しく収縮することでうまく血液が流れているのですが、それがなくなってしまうのがこの病気です。心房の中で血液がとどまってしまいます。
すると、血液はとたんに固まりやすくなります。けがをした時を思い出してください。傷口から出た血液はすぐにかさぶたになりますよね。血液は、流れているときは固まりにくく、流れていないときは固まるという性質を持っているのです。
さて、心臓の中でかさぶたのような血液の塊ができたらどうなるでしょう?そうです。脳にまで飛んで行って血管を詰まらせてしまうのです。これが脳梗塞になる理由です。

2種類の薬が必要

脳梗塞は発症したら元の状態に戻すことが難しいです。そこで、予防することが大切になるわけなのですが、そのために必要なのが血液を固まりにくくする薬です。抗凝固薬といいます。
もう一つは、心房細動そのものに対する不整脈の薬です。最近は、カテーテルアブレーションと言って手術をする方法も開発されています。

まずは検査から

心房細動は心電図をとらないと診断できません。また、正常と心房細動の状態とを行ったり来たりする患者さんもいます。発作のように、時たま心房細動の状態になるのです。そのような方は、正常な時に心電図をとっても発見できません。そんな時には、24時間ホルター心電図検査が必要です。
当院では、すべての検査を行うことができます。お気軽にお声掛けください。